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大型自動車と同様に小型自動車にアルコールを使用するためのさらなる可能性は、ディーゼル・エンジンの原理を利用することです。このアプローチは少ない燃料消費量の観点からは最大の可能性を持っていますが、FFVモデルとして開発することは困難でしょう。排出ガスに関連した問題点は従来のオットー・エンジンほどは克服するのが簡単ではありませんが、取り組むべき問題点はADIモデルと同様のものです。もうひとつの問題点は高いシリンダー圧力であり、このことはディーゼル燃料で走行するように開発された基本的なエンジンから開始することを必要とするものです。それぞれの燃焼システムの上記で述べた長所および短所の観点から、短中期における(5-15年)最優先事項は伝統的なオットー・エンジンとそのADIバージョンのさらなる開発であるべきです。長期的にはディーゼル・バージョンもまた関心が持たれるでしょうが、このFFVモデルを開発することの困難性から、これはインフラが整備されるまでは起こらないでしょう。

 

バイオガス

 

現時点では小型自動車でのバイオガスの使用は、いくつかの制御装置やガス・タンクを補充したオットー・エンジンの自動車との関係に限定されています。このことは燃料に関しては柔軟性を提供しています。すなわちガソリンかバイオガスのいずれかを使用することが可能です。

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Figure 6.8.Difference in fuel consumption per equivalent energy unit for different types of heavy vehicle running on diesel engine principle (Olsson L-O, 1996).

図6.8.ディーゼル・エンジンの原理で走行するさまざまなタイプの大型自動車に関する、同等のエネルギー単位の燃料消費量の差(Olsson L-O、1996)

 

 

 

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