原則として、人口2万人以上のスウェーデンの55の都市のほとんどが、地域の自動車フリートのために十分なバイオガスを生産することができると考えられています。地域で集められたゴミと汚泥は通常都市バスやゴミ回収トラック、タクシー等の他の自動車にバイオガスを十分に供給できます。糞尿や農作物、および食品産業からのその他産業有機廃棄物もまた利用されるとすれば、自治体の自動車のさらに多くがバイオガスで走行することが可能となるでしょう。
スウェーデンにおける総バイオガス生産能力は20TWh以上と推定されています(表4.2.)。しかしながら、現時点ではこの生産能力のうち、年間わずか約6-8TWhが現実的なおよび資金的な理由から利用されているに過ぎません(Lindberg A、1997)。この推定は国のバイオガス設備の在庫に基づいています。この生産能力のどれだけ大きな割合が運輸部門で使用されるかは、暖房に対するバイオガスの将来の競争力のある地位や自動車燃料それぞれの要因に依存しています。
現時点では、地域の下水処理場の汚泥チャンバーの中で生産されるバイオガスのほとんどを集めるために利用されているのは、我々の下水および排水システムからの汚泥です。主要な生産能力は、我々すべてが生産の役に立てる、すなわちこの方法ではまだ反応しない汚泥と同様、腐食の可能性があるすべての国内および産業のゴミのような、有機原料を使用する点に存在します。
もしこれに加えて農作物の連作が余剰農地に導入されたら、それは土壌にとっても好都合であり、バイオガスに転換することに適している大量の生牧草を生産することが可能になるでしょう。
バイオガス生産のための牧草の利用に関する研究がスウェーデン農業工学研究所(JTI)で、ここ数年行われています。もし牧草が収穫され他の有機廃棄物と一緒に処理されるとすれば、農民と環境が牧草の栽培により利益を受けるだろうということを示すさまざまなシステム研究が発表されています(Dalemoその他、1993; Sundbergその他、1997)。このタイプの処理は肥料として使用できる有機残留物と同様に、暖房、発電、および自動車燃料として利用できるバイオガスを生産するでしょう。長期的にみて、このシステムが大規模に開発されれば、このシステムの有機残留物の大きな量は、すべての窒素肥料の輸入に取って代わるに十分でしょう。所与の仮定と価格の関係について、この研究はまた自動車燃料としてバイオガスを使用することが最も収益性が高いと述べています。これに続く最も収益性の高いものは、熱エネルギーの生産に関するものですが、熱の直接生産は最低の収益となります。
資金面の配慮
バイオガスの概念は、流通と充填システムと同様にガスの生産とプロセスのための設備を含みます。システム全体の資金面の全容を評価するために、以下の要因に関して評価が行われる必要があります: