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全体として約150万m3のエタノールを、1リッター当たりほぼ4クローナのコストで生産することができます(KFB、NUTEK、SIKA、1997)。

エタノールの大規模な使用を可能にするために、長期的なさらなる要請は木材からのエタノールの生産です。セルロースを含んだ原材料に基づくエタノール生産のためのパイロット・プラントの建設が現在議論されていますが、そのようなプラントを操業にこぎつけることができるか、またそれはいつかについては不確実です。木材ベースのエタノールのコストを、少なくとも穀物ベースのエタノールのレベルと同等に引き下げることが商業上求められています。このため、スウェーデンと外国における研究開発活動はエタノール生産高の増加、生産効率の改善、および酵素技術などの方法で生産コストを引き下げることに焦点をあてています。たとえば、米国コロラド州のNREL研究所では、酵素発酵に基づく新しいエタノール生産の方法が開発されました(Pilo C, 1997)。開発作業の結果が予想された程度に良好なものであれば、これは経済上のブレークスルーとなるでしょう(2000年までに1リッター当たり1.20クローナ)(図3.4)。相対的生産コストが下がるので、そのような設備が経済的に価値があるかどうかに関する重要な要因は、次第に原材料のコストになってくるでしょう。

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Figure 3.3.Quantity, of biofuel that may be expected to be used for fuel production on three different assumptions: A) No phasing out of nuclear power, B) Full phasing out of nuclear power and no increase in production of electricity by wind power. C) Full phasing out of all nuclear power and introduction of new wind power of 20 TWh/year. All three cases assume that currently available energy-efficient equipment is used (Johansson B. 1996).

図3.3.3つの異なった仮定による、燃料生産のために使用されるとみられるバイオ燃料の量:A)原子力発電を廃止せず、B)原子力発電の完全廃止および風力発電による生産の増加なし、C)すべての原子力発電の完全廃止および年間20TWhの新しい風力発電の導入。3つすべてのケースは現在利用可能なエネルギー効率のいい襲置が使用されているとの前提です(Johansson B. 1996)。

 

 

 

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