ガソリンとディーゼルを天然ガス(LNG、CNG)あるいは天然ガスをベースにした燃料(MTBE、DME、メタノール)等のような他の化石燃料と置き換えることで、わずかにCO2の排出を減らすことが可能ですが、その効果は約10-15%程度のものです。もしガソリンと5-10%のアルコールあるいはETBEの混合燃料が利用されても、化石CO2の排出の減少はCNGが利用された場合よりも少ないでしょう。このため、結論は、もし運輸部門からのCO2の排出を根本的かつ急速に減らすためにはバイオベースの燃料を使用する方向への転換が必要です。
結論
□現在の運輸システムは長期的には維持不可能です。自動車社会の一貫した成長とそれによる世界的な二酸化炭素の排出の増加という世界の状況は、運輸部門全般、とりわけ道路交通の部門に根本的な変化をもたらすでしょう。
□道路交通からの温室効果ガスの排出を減らす第1段階は、燃料消費を減らし、運輸システムの効率性を改善することです。しかしながら、これだけでは不十分です。新しい非化石燃料が実際上大規模に導入されなければなりません。
□環境に温室効果ガスをより少ししか排出しない社会への移行は、国際的な協調行動が求められている世界の問題です。しかしながら、スウェーデンは、豊かな工業国として、この調整過程で先頭に立つ責任があります。さらに、我々は他の全ての人々と同様に、「汚染した者が支払う」という原則に則して行動しなければなりません。
□生産および使用からの全体の連鎖のあらゆる効果を考慮したライフ・サイクル評価が、代替燃料と自動車の組み合わせの評価の方法として作成されるべきです。すでに実施されているライフ・サイクル評価は、もし再生可能なエネルギーが高い割合でプロセスのすべての段階で利用されたとしたら、化石燃料からバイオ燃料への転換でCO2の排出を5分の1に減らすことができることを示しています。