日本財団 図書館


□ FFVとして知られるフレキシブル燃料自動車の導入は、エタノールのための全国的な流通網の構築の開始を示しています。このことで、FFVプロジェクトは鶏と卵のジレンマから脱する解決策を示すことができるようになりました。しかしながら、バイオ燃料のさらに大規模な使用を実現するために、国が変化のプロセスを促進させるための積極的な役割を演じることが必要でしょう。

 

□ 国の主要な役割は、例えば消費者のレベルで燃料価格が健康と環境へのその効果を反映するような、税金と手数料における明確で確固とした修正を含むべきでしょう。バイオ燃料のための新しいマーケットの構築に参画するであろう新しい参加者による基本的かつ長期的な投資に関しては、国により採用された管理の方法が一貫したものであり、持続可能なものであることが重要でしょう。

 

□ KFBのバイオ燃料プログラムから得られた教訓は、エタノールのような新しい燃料のマーケットヘの導入にあたっては、国内の広範囲のさまざまなユーザーに対する現実的な実証手続きが必要ということです。そのような体系的な実証は、いくつもの世代の自動車開発が現実的な運行条件のもとでテストされることができるような、さまざまな原理に基づいたテスト・プラットホームとして利用できる開発環境を作り出します。テスト条件におけるこのタイプの連続性はまた、独立した客観的な評価プロセスを促進します。

 

□ 化石燃料からバイオ燃料への移行は時間のかかるプロセスでしょう。そしてもしそれを成功させるためには、それが今始まるということが重要です。このことは、バイオ燃料の生産のための設備が国中の多くの場所に建設される必要があり、資金が新しい燃料を使用できるバス、トラックおよび自動車に投資され、これらの投資がお互い並行して行なわれるということを意味しています。このことは、新しい技術上の解決策に投資するために、国と同様に地方自治体および企業部門の決断を要求します。結果的に運輸部門のすべての参加者に一層の関与を要求します。もしこれらすべての条件が満たされれば、これにより我々は持続可能な運輸システムヘの移行のプロセスを始動することができるために必要とされるモデルを作ることができるでしょう。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION