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2.1.2 ブラッセル近郊の天然ガス自動車走行テストに関する調査

 

ブラッセル近郊の天然ガス自動車充填施設、天然ガスバスメンテナンス施設見学及びごみ収集車の充填所見学を行い、使用者から実用性等に関する情報収集を行った。

 

(1)訪問日時及び応対者

訪問日時:1998年4月30日

応対者:Mr.Walter Neirynck

Mr.Bertin Cortivriendt、Mr. Stefan Verstappen(Electrabel社 流通部門)

Electrabel社はベルギーの民間エネルギー供給会社で、電気、ガス等の供給を行っている。

今回、上記のElectrabel社の方に以下の3ヶ所の案内をしていただいた。

 

(2)調査概要

1]Sibelgas社内の充填施設見学

Sibelgas社は、敷地内に、計8つの充填設備がある。近接のガス圧縮施設を通じて、これらの設備に圧縮天然ガスが供給されている。

2]MIVB/STIB(ブラッセル市交通局)のバスメンテナンス施設見学

MIVB/STIBは、ブラッセル市内を走行するバス、トラム(路面電車)を運行している。現在、天然ガスバスを20台導入していると環境に与える影響などの調査は、VITOと共同で行っている。(詳細は、5.1項「バス・トラックのための省エネ・環境配慮型の新技術に関する国際ワークショップ」の報告を参照されたい。)

MIVB/STIBのバスメンテナンス施設で、実際に天然ガスバスを運転しているドライバーの方にお話を伺い、以下の情報が得られた。

・天然ガスバスを運行するにあたって1日研修を受けるが、これは天然ガスバス特有のボタン、装置類に慣れることや、注意事項を認識すること(例:禁煙)が主眼である。

・運転席の上部には、充填圧を示すデジタル表示計がある。

・バスの前方扉の開閉に利用される加圧空気(compressed air)もワークショップで天然ガス充填の際に、補充される。

・天然ガスと直接に関連する事故は起きていない。

・運転していて、静かで振動が少ないと感じるが、乗客のなかには、臭気がやや気になる人がいるようである。

3]アントワープ市のごみ収集車の充填所見学

ブラッセル市内に、フリートのメンテナンス・充填施設(ワークショップ)がある(急速充填施設1つを含む)。運行スケジュールの関係で、うまく20台のバスにうまく対応できている。急速充填装置は、メンテナンスなどの急を要する場合にのみ使用するという。

この充填所はアントワープ郊外にある。現在、6台のごみ収集車が利用しており、運行スケジュールの関係で同時充填を余儀なくされているものの、6つの充填施設で対応できているという。しかし、将来、ごみ収集車を14台にまで増やすことが決まっていることから、その際の充填方法についての検討が進められているところである。急速充填設備についても検討中という。また、需要の面からも拡大を狙っており、より多くの公用車に利用してもらえるよう、模索している。以下に、Electrabd社で行っている天然ガスごみ収集車のデモンストレーションプロジェクトを紹介する。

 

 

 

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