なフォローアップと、特別な住まいにおけるケアの質改善のためのさまざまな実験的事業(プロジェクト方式)への援助である。その他、高齢者や家族に対する、高齢者事業のインフォメーション、個人の権利、健康相談などを内容とする、24時間対応の電話緊急サービスの拡充があげられている。さらに、障害研究所の障害者・高齢者に対する情報技術の開発も重要視している。
家族と高齢者のQOLの向上:
近年、スウェーデンが重要視し、力を入れてきたのが、高齢者の家族や近親者への支援である。サービスやケアの質に関する家族・近親者の意見に注目し、このグループのサービスやケアヘの参加を重要視してきた。とくに、高齢者が自宅において暮らす場合、家族や近親者の果たす役割は極めて大きい。97年に行なわれた社会サービス法の一部改正によって、長期的な介護・看護ニーズをもつ障害者や高齢者の家族を、代替サービスやその他の援助形態によって支援することは、社会サービスの義務になった。家族支援を強化するために、96年750万クローネの特別国庫助成金が社会庁を通して、一連の実験的事業(方法や形態など)に支払われている。
政府は、家族や近親者支援をさらに強化する必要性があるとみて、コミューンに対し特別助成金1億クローネを、99年から向こう3年間交付することを提案している。目的は、援助や支援とともに、家族や他の近親者のQOLを向上させることにあるとしている。とくに、家族や近親者の身体的および精神的な健康破壊を予防することに出発点をおいている(スウェーデンの場合、同居する家族は普通高齢の夫か妻である)。
近親者家族有給休暇においてもしかりであるが、高齢者の家族だけでなく友人や隣人などの近親者も支援の対象にし、家族の定義を血縁関係だけではなく幅広くとらえている。核家族化が進み、単身世帯が増えるなかで、情緒的な支えを提供するプライマリーグループに“近親者”の概念を導入することは必然的な発展であり、重要な意味をもってくる。
また、地方自治体の高齢者事業が年金者協会、赤十字、教会組織などの自発的活動を行なう市民組織と連携して事業にあたることも、高齢者のネットワークづくりの強化にとって重要であるとしている。これらの組織は、今までも公共の事業を補足する存在として重要な役割を果たしてきたが、家族・近親者ともに高齢者ケアのケア資源の重要な一部をなすものとしてさらに注目されることになった。また、家族の知識や経験を集約する痴呆症患者の権利を守る会も、ケアやサービスをさらに発展させるうえで貴重な存在であると位置付けられている。
これらのことを踏まえて、家族や近親者に対する支援や援助の形態や内容は、実際的なものから精神的なものまで多様であることが必要であり、個別的なニーズに基づ