(65〜84歳)の割合も減少してきており、93年の統計では約4%にしか過ぎない。一人暮らしをする高齢者(70〜80歳)の約4分の1が孤独を感じると述べている。国際比較によると、スウェーデンの高齢者(60歳以上)の約3分の1が家族と毎日会っており、約3分の2が最低一週間に1度会っている。南ヨーロッパの高齢者の家族交流度はスウェーデンよりも高いが、孤独を感じている高齢者の割合も高いことも確かである(例えば、ギリシャ30%対スウェーデン6%)。したがって、一人暮らしであることが必ずしも孤独だとは限らないといえる。
健康と機能:
今日の高齢者は、かなりの高齢になるまで健康であることが指摘される。社会庁の調査(1996)によれば、75歳以上の在宅高齢者の83%が健康状態は非常に良好だと答えている。高齢になるにつれ健康状態にも問題が生ずるものであるが、健康状態が極めて悪いと答えた85歳以上の高齢者は22%に過ぎない。しかし、65〜74歳の高齢者の約70%が最低ひとつの長期的な病気(心臓、循環器系疾病が最も一般的)を持っていると答えている。75〜84歳になるとその割合は高くなり、85%に達する。健康状態における階級格差がスウェーデンでも指摘されてきたが、年齢が高くなるとともにその差は大きくなる。また、精神的障害も高齢者にみられ、約15万人の高齢者が鬱病だと推定される。
身体的機能も、ケアやサービスのニーズに大きく左右するものである。80年代末からみると、高齢者(75〜84歳)身体的機能の低下は減少してきている。75歳以上の高齢者で、日常生活の行動(ADL)に何らかの支障をきたしている人はわずか15%であった。援助ニーズも年齢とともに高くなり、85歳以上の高齢女性で日常生活において何らかの援助を必要とすると報告しているのは、3人に2人であった。
高齢化とともに健康状態が悪化することは、高齢化とともに保健・医療サービスのニーズが高くなることを意味する。エーデル改革によって、長期的医療が病院医療資源から切り離されたが、それでも65歳以上の高齢者にる利用が医療資源全体の40%を占める。また、総入院日数の54%が65歳以上の高齢者に、31%が75歳以上の高齢者によって占められている。医療経費の38%が65歳以上の患者に使用されていることも明らかである(だだし、エーデル改革以前は、50%であった)。
(2) 高齢者福祉予算と人的資源
コミューンの高齢者福祉予算:
95年以来、コミューンに対する国庫助成金の交付(96年、合計380億クローネ)が増加したことによって、コミューンの収入は増加してきている。また、97年コミューンおよび県コミューンに対して、国は40億クローネの追加助成金を支払っている。コ