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メーションを定期的に提供することは、痴呆症ケアの正しい知識の普及とともに、理解を深めるという啓蒙的視点から重要な意味をもつ。

 

6) 家族会の組織化

コミューンのホームヘルプサービスと協力して、家族会を組織化する。家族に対する必要かつ正確なインフォーメーションもさることながら、痴呆症問題を抱える家族間の交流の機会を提供するうえで、その意義は大きい。

 

7) その他の任務として、地域医師や病院医師との定期的な連絡、特別な住まい(グループ住宅、老人ホーム、ナーンシグホーム、サービスハウスなど)に働く職員に対する痴呆症ケアのアドバイス活動がある。

痴呆症看護婦の存在は、地域における痴呆症ケアに携わるすべての職員や家族にとって重要な援助資源であるといえる。痴呆症患者とその家族に対して、医療と福祉の両面から総合的に、しかも個別的なニーズに的確に対応したケアやサービスを提供するためには、専門的知識に基づいて支援できる痴呆症看護婦の存在意義は大きい。地域の痴呆症ケアの質を高めるうえで、またケア資源を合理的に、しかも有効に利用するうえで重要な役割をはたす。
痴呆症看護婦やその支援を受けてケアにあたる地域看護婦やホームヘルパーなどの総合的な援助によって、痴呆症患者は施設に入居することなく、単身、あるいは家族とともに自宅で生活を継続することができる。痴呆症患者を社会から分離・隔離する施設ケアは、たとえ専門性に富むものであっても、また必要とするグループは存在するとしても、ノーマライゼーションの観点からは必ずしも好ましいとは言い難い。また施設資源のみに依存していくことは、量的にも質的にもまた財政的にも限界がある。地域の潜在的ニーズを絶えず把握する活動は、予防的観点からも重要な意味をもつ。したがって、痴呆症看護婦は地域における痴呆症ケアの集約的役割を担うといえる。

 

4. カルマル・モデルから学ぶ教訓

 

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