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はない。普通、小さなグループに組織されており、決まった高齢者グループを担当する形で、責任は地理的に配分されている。一般的な例として挙げるならば、50人の高齢者に対して、10〜15人のヘルパーが配置されているといえよう。個人的にではなく共同で提供される在宅高齢者のためのサービスとしては、掃除パトロール、安全アラーム・サービス、配食サービスなどがある。個人的なレベルでの援助にあたっては、高齢者の残存能力を活かす『自助への援助』が大切な原則であり、目標となる。この原則が実践されるには、ヘルパーの専門的な知識が必要となり、十分な教育が要求されてくる。スウェーデンでは、職業高等学校教育のなかに、三年制の介護プログラムが設置されており、このコースを卒えるとホームヘルパーか准看護婦の、介護・看護職の基礎的な資格が得られる。
そのほか、コミューンの成人高等学校やコミューン自体の行うホームヘルパー養成コースを出ても、資格が得られるというように幅広く配慮されている。またホームヘルパーから在宅介護主事などのより高度な教育を受けたい場合には休職して、その間、国からのローン「学習奨学金」によって生活を保障し、得たい資格を習得することが出来る。柔軟性のある教育システムは、質の高いケア職員確保の観点からも、重要な政策だといえる。

ホームヘルプ・サービスを援助するものとして、郵便配達人によるサービスがある。過疎地帯や地理的に孤立して生活する地方の老人に対して、郵便配達人が薬や食事などの配達サービスを行なうもので、コミューンと郵便局の協定によって実施されている。

 

利用動向:

95年の統計によると、全国で約17万人がホームヘルプサービスを受けており、そのほとんどが65歳以上の高齢者である(表11)。これは、高齢者人口の約11%に相当する。年齢別の利用率でみてみると、65〜79歳では5%、80歳以上では27%、90歳以上では40%がサービスを受けており、年齢が高くなるほど利用率も高くなっている。性別にみると、90歳以上の年齢層を除いて、一般的には女性の利用率が高い。これは、女性の平均寿命が長いことと、ひとり暮しの高齢者が女性に多いことなどが原因であると思われる。ホームヘルプサービスの利用率は単身世帯に高く、社会庁の調査(1995)でも、在宅医療またはホームヘルプサービスの利用者の80%が単身世帯であった(Socialstyrelsen・1996b)。

 

表11 ホームヘルプサービス受給者数、年齢グループ別(1993-1995)、単位:千人

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