また、病院の急性期医療および老年医学専門医療のためのベッド数が、91年から94年の4年間に17%減少している。これは、それまで社会的入院患者のために転用されていた分のベッドが不要になったことを意味する。退院患者が自宅に戻れない場合は「特別な住まい」のいずれかに入居することになるが、これらの「特別な住まい」は経済不況のため一般住宅の建設がほとんど行なわれなかった時期、91年から95年にかけて、2万戸が建てられた(Alaby、1997)。そのほとんどが、グループリビング方式のいわゆる「グループ住宅」であった。
そのほかにも、資源利用などにおいて効果が明らかである。
(1) 県コミューンとコミューンの責任分担が明確になり、コミューンの責任が拡大されたことによって、サービスやケアが総合的に市民の生活に身近な場所で提供できるようになったこと。
(2) ナーシングホーム、グループ住宅、デイケア、在宅医療に関する行政責任が統一されたことにより、高齢者ケアの資源調達計画および資源の有効利用が容易になったこと。
(3) 職員の弾力的な活用に加えて、事業展開に小回りが利くようになり、ニーズの変化に応じてサービスやケアの対象となる人々の優先順位を変更することが容易になったこと。