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第5章 高齢者のための医療・福祉行政とサービスの現状

 

1. 高齢者行政の業務分担と行政機構

 

高齢者の医療と福祉のニーズを正確に把握し、それらに十分に応えていくことは国および地方自治体の公共部門の重要な任務であり、スウェーデン福祉国家のコーナーストーンとして位置付けられる。したがって、高齢者サービスやケアには最高の優先権が与えられる。高齢者行政の目的を簡潔に表現するならば次のようにまとめられる。

『経済的な安全を保障し、ニーズに対応した、良い住まいと医療・福祉サービスを提供すること。高齢者は自己決定権と選択の自由を有し、公共の提供する援助やサービスに対して、自らの意見を反映できること。妥当な生活水準が保障されること。』

 

図12 スウェーデンの行政組織

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国は、地方行政の基本的枠組みを規定する法律を制定する。したがって、高齢者対策の基本的方向を決定し、立案を行なうのは、国会ならびに内閣総理府である。現在、高齢者の保健・医療サービスに関しては、保健・医療サービス法(1982年)が、また

 

 

 

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