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(2)WINの人気メニュー
WINのキオスクでもっとも関心が高かったのは以下の2つである。
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・ | 雇用情報検索サービス
州政府と地方の分署の採用情報と応募方法を提供するサービスである。WINではこのデータベースヘのアクセスが最も多かった。これにより640人が職を得ることができたと言われている。
| ・ | 未請求の資産に関する情報の提供サービス
このデータベースは、州政府への未請求の資産に関する情報を提供するサービスである。住民は名前を入力するだけで未請求のお金や資産があるかどうか照会できる。未請求の資産は150百万ドルあると見積もられており、7件に1件の割合で住民は、公共料金口座の残金や授業料の払い戻しなどを州政府から受けることができた。このサービスによって市民に戻された金額は106,000ドルに昇ったと推計されている。
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- (3)WINの導入効果
WINの導入効果としては、以下が挙げられる。
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・ | WINは、住民がキオスクから登録したデータを自動的に州政府のシステムに登録でき、それまでデータの入力作業にかかわっていた人件費の節約につながった。
| ・ | 市民からは、キオスクを使用することで、窓口でサービスを受けるために長い列に並び順番を待つ必要がなくなった点で効果があった。
この結果から、州政府では、自動化されたキオスクにより、アクセスし易い環境を市民に提供するというWINの当初の目的は、ひとまず達成されたと評価している。
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- (4)WINの問題点
- WINが一定の評価を得た反面、WINのキオスクシステムを廃止して、Webを基本としたA?tess Washington networkへの移行を決める要因となった問題点として以下のものが挙げられる。
・ | 州内各所ヘキオスクを導入、維持するコストが高く、効率がよいものではなかった。多くのキオスクが田舎に設置されており、修理や消耗品の供給が困難であった。各キオスクはトラブルが起きると中央センターモニターシステムに警告メッセージを送ってくるのであるが、それに対応するために職員はキオスクのオペレーションと修理の教育を受け、州内各所を回らなければならなかった。
| ・ | キオスクは多様な情報を提供したが、最も利用度の高かったものは仕事に関するものと、未請求の資産に関するものであった。
| ・ | キオスクをどこに設置するかという問題はきわめて難しい。州内全所をカバーすることはできず、キオスクを利用するために遠くに出向かなければならない市民もいた。
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