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《アメリカのワシントン州でのキオスクサービス(WIN)の例》


 ワシントン州が行っているキオスク(WIN:The Washington Information Network)は、全米の数あるキオスクシステムの中でも最も利便性の高いシステムの代表例に挙げらている。
 WINは、州の住民を対象に1994年から試行されてきたが、1998年、その試行の目的を終え、新たなA?tess Washington networkにその目的を継承している。

 WINは、住民にショッピングモールやその他の公衆の場所から20以上の政府機関にアクセスすることを目的としたものであり、州政府、地方政府、連邦政府の情報を24時間、英語とスペイン語で提供するキオスクシステムの先駈けとなるプロジェクトの一つであった。
 このキオスクシステムは、「老人や身体の不自由な人々も等しく公的サービスを受けられるようにしなければならない。」という法律(Americans with Disabilities Act)に沿ったものであり、キオスクには耳の不自由な人のための字幕解説機能も付加されている。

 1994年8月から1995年12月までの間に、延べ27万人の住民がWINのキオスクを使用しており、34,000人を対象に州政府が行ったアンケート調査では、73%の人が「また使いたい」と答え、71%が「友人や家族に勧めたい」と答えている。さらに53%の住民がWINを使うことで、「電話や郵便、窓口への出向くことが不要になった」と答えている。
 WINのキオスクはシアトル市を中心に、田舎の地域も含めて州内48箇所に設置された。それぞれのキオスクは、1日あたり平均50回程度の使用実績が確認されている。

(1)WINの主な提供情報
 WINのキオスクで提供していた情報は以下のとおり。
・雇用情報
・学生向けのローン情報
・自動車登録
・気象情報、大気汚染情報
・各保険会社の自動車保険の料率情報
・ボートやサイクリングの情報
・州政府へのアクセス
・未請求の資産(unclaimed property)情報
・緊急避難情報
・州の健康プランに関する情報
・教育情報
・免許の手続
・中小企業向けローンを提供している金融機関の情報
・ベンチャービジネス経営情報

 また、WINはサービス購入のためのクレジットカード使用といった取引の実現性を探るものでもあった。そのため、最終的には電子商取引アプリケーションを構築することが計画されていた。

 

 

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