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3.キオスク型情報端末の活用状況


 福祉施設や介護サービス提供事業者などの情報を地域住民に提供する手段の一つとして、キオスク型(街頭)情報端末がある。これは、市役所(役場)や人の多く集まる公共施設などに情報端末を設置して、情報を必要とする住民が自由に情報検索することができるサービスである。
 既に、多くの地方公共団体で、公共施設の予約であるとか、行政サービスの案内、さらに住民票の写しの発行までも、このキオスク型情報端末で提供を始めている。行政サービスのワンストップサービスを効率的に行う手段としても利用されてきている。

 キオスク型情報端末の先駆的な活用は、アメリカで最も多くの事例がある。米国では、国民や市民に様々な情報や申請手続きを効率的に提供するための手段として、キオスク型情報端末の導入が行われてきた。しかし、最近、インターネットの普及等に伴い、キオスク型情報端末の位置付けやインターネット網を活用したアプリケーションの見直しが始まっている。
 また、福祉サービスの場合、キオスク型情報端末で情報を提供することが必ずしもサービスを必要とする人にとって適切な対応ができるとは限らない。ヨーロッパでは、キオスク型情報端末の活用はアメリカほど積極的ではない。その要因として、「機械では、サービスを必要とする人の真のニーズが伝わらない」という理由から、キオスク型情報端末の撤退や導入の見直しが発生している例がある。この様な所では、業務処理や職員が利用者に代わって情報検索する部分の機械化を積極的に行っており、住民との接点は職員(専門のアドバイザー)が対応する体制を構築している。
 日本でも、地域の住民に適した福祉サービスを実施していく上で、機械的なサービスが本当に福祉分野では有効なのか、また、どこまでを機械的に提供した方が効率的なのか、地方公共団体が置かれている状況等を見据えた上で検討する必要がある。

 次頁以降にアメリカでのキオスク型情報端末の活用例と問題点等を記述する。

 

 

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