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第2節 在宅介護サービス提供支援システムに求められる機能と共有情報
2-1 在宅介護サービス提供支援システムに求められる機能
 ケア・マネジメントシステムを的確で、迅速に実施していくためには、在宅介護サービスの提供にかかわる関係機関間で、情報の共有化やサービス利用者へのサービスメニュー等の情報公開を実施していくための情報システム(在宅介護サービス提供支援システム)が必要となる。  在宅介護サービス提供支援システムは、要介護者の状態を常に把握できるシステムであるとともに、情報提供など住民のニーズに対応可能なシステムであることが必要となる。また、在宅介護は、高齢者だけではなく、障害者なども想定したサービス提供システムとして機能する必要がある。実現する情報システムは、情報の発生点での入力や情報の必要な場所での照会・検索を可能にすることが必要である。そのため、操作性や利便性の追求、さらに、ネットワーク化を想定したセキュリティ対策を実現する。

 情報提供は、サービス提供事業者等の外部情報と、サービスそのものに関する情報の2つが挙げられる。サービス提供事業者等の情報は、サービス提供事業者紹介や近郊地域の医師紹介などに関する情報であり、特にサービス提供事業者については、簡単な施設紹介にとどまらず、住民のサービス選択時の判断となる提供サービスメニュー、マンパワー、場所等のきめ細かな情報提供が求められる。また、これらの情報は、地域の施設などで住民が気軽に照会できるようにするために、住民への情報提供を支援する環境を併せて整備する必要がある。
 サービス情報は、介護保険サービスはもとより、それ以外の一般地域福祉サービ久も提供し、総合的な相談機能をサポートする。また、相談の中で、サービス内容をわかりやすく説明するために、モデルプランをその場で作成するシミュレーション機能を持ち、これを高齢者に提示しながら本人の状態に沿った形に修正を加えケアプランのベースとしていく。さらに要介護者等のサービス提供状況を把握するために、関係機関が保有する認定受付から認定調査、ケアプラン、サービス提供の実績、国保連合会から送付されてくる審査済給付データ等の情報を活用して、それらをわかりやすく表示することにより、サービス利用者の状態をモニタリングできるシステムを構築することも考えられる。

 なお、地方公共団体の現状を考えると、在宅介護サービス提供支援システムの構成や機能は、地方公共団体の組織体制や福祉行政の進め方などにより、地方公共団体に共通するものと固有のものとから構成される。

 

 

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