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?Dサービスの品質向上に必要なサービス提供実績を的確に把握するためのシステム化
 介護保険制度の施行により、多数のサービス提供事業者が参入する地域では、サービス事業者によってサービス内容に格差が生じる可能性があり、地方公共団体としては、いかにこれらのサービス内容を把握し、サービスの質の向上に向けた対応をサービス提供事業者にガイドしていくかが問題となる。
 そのため、サービス提供事業者にサービス提供実施報告の義務付けを行い、サービス提供計画と実施状況を管理するシステムを構築する。このことにより、ケアマネジャーは、担当する要介護者へのケアスケジュールが確実に実施されているかを随時チェックすることが可能となる。
 例えば、サービス提供事業者がサービスを提供した後、速やかに提供内容等をケアマネジャーへ報告する。報告されたデータはデータベースに蓄積され、介護サービスの実施状況や要介護者の状況を把握することが可能となる。
 サービス提供実施報告の仕方としては、次の方法が挙げられる。
 ヘルパーが、要介護者へのサービスを提供した場所から、モバイルコンピュ一夕や電話のプッシュボタン入力などによりサービス提供実施報告を行う。報告する内容は数字で簡単に入力できる内容にとどめ(要介護者番号、日付、サービス種類、担当者番号、開始・終了時間等)、内容は自動的にコンピュータがテキスト変換し、データベースに保管する。詳細情報については、ヘルパーがサービス提供後に、モバイルコンピュータ等の携帯端末から入力し、データベースに保管する。
 これらの中で、ヘルパーなどのサービス提供者の実務面を考慮すると、電話で簡単に数字を入力するオペレーションが一番現実的な方法と考えられる。


?E多様な相談内容への迅速・的確な対応を行うためのシステム化
 住民からの医療相談や健康相談、福祉相談など多様な相談に対して、的確な対応を行うためには専門の担当者が相談に応じるのが最善である。しかし、相談窓口のすべてに様々な分野の専門家を配置することは、人員面やコスト面でも多大な負荷が発生する等、福祉行政を推進して行く上での問題となる。
 そのため、システム的な対応策としては、複数の相談窓口を設置している地方公共団体は、専門の担当者がいる施設と相談窓口をネットワークで接続し、来談者の過去の相談内容や応対者、最新の個人情報(例えば、住民の基本情報や福祉サービスを受けている状況、日常の生活動向、健診情報、受診情報等)の内容を共有しながら、リモートで対面相談ができる環境を整備する方法が挙げられる。

 

 

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