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2-2 福祉行政を支援する福祉総合情報システムのあるべき姿

(1)福祉行政を支援する情報システムに求められる機能の変化
 従来から地方公共団体は、福祉サービスの提供や行政機関の事務処理を効率的・効果的に実現するために、様々な情報化の取り組みを行ってきている。
例えば、法制度に基づいた縦割りのコンピュータシステムから、医療・保健・福祉分野が連携した福祉情報の一元的管理と共有化、また、福祉窓口業務の総合化や業務処理の高度化と効率化をめざした情報システムの導入等が挙げられる。
これらは、地方公共団体が、福祉サービスを提供する立場(いわゆる福祉を措置する立場)で「福祉業務の効率化」や「住民サービスの向上」を目的として、福祉業務にかかわる情報の一元管理等行政機関が行う事務処理の総合化を進めてきたものであり、あくまで社会福祉六法を中心にした措置制度によるサービスを提供する上で必要な情報化であった。
しかし、児童福祉法の改正や介護保険法の制定等、これまでの「与えられる福祉」から、住民がサービスを自由に選択できる「選ぶ福祉」への福祉政策の変化は、福祉を必要とする住民の自立支援と自己選択を尊重するために、在宅福祉サービスの充実と効率的なサービスの提供を支援していく、総合的な情報システムを必要としている。
また、広域連合に見られるような近隣市町村での広域の事業運営は、それぞれの地域でのサービス提供内容に地域格差が発生しないように福祉事業を実施していくことが必須であり、これらを適切に状況分析していくための情報化が急務となる。


図2-1 福祉行政を支援する情報システムの環境の変化

 

 

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