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 そのため、利用者による適切なサービスの選択を可能にするとともに、社会福祉に対する信頼を高めるためにサービスの内容や評価等に関する情報を開示し、事業運営の透明性を確保する必要がある。
 これらの社会福祉に対する住民の積極的かつ主体的な参加を通じて、福祉に対する関心と理解を深めることで、自助、共助、公助が相互に協調しあって、地域に根ざした福祉社会を創造することが可能になる。

今後、多様なサービス提供を確保するため、
 
事業の性格などに応じた経営主体の範囲の見直しやサービスの内容に応じた、利用者に着目した公的助成の実施
福祉サービス全般にケアマネジメントのようなサービス提供手法の確立
地域の実情に応じた福祉事務所の機能を効果的かつ効率的に発揮できる行政実施体制の確立
地域での総合的なサービスを受けられる体制を整備するため、対象者ごとの計画を統合した地域福祉計画の導入

等を、早急に整備する必要がある。

(2)福祉行政を進めていく上での対応事項
 特に、介護保険制度の導入に伴う、個人の自立を支援する福祉行政を進めていくことは、従来の施設福祉から在宅福祉へ、さらに在宅ケアを中心とした在宅介護へと高齢者福祉のサービス提供手段が変化することにつながる。このことは、施設入所者と異なり、在宅でのサービス利用者のケアを、医療サービスや保健サービスといかに連携を取りながら行っていくかが、福祉事業を行う上で重要になってくることを意味する。
 また、福祉サービスの利用者である地域住民のニーズが多様化している中で、地方公共団体が独自にすべてのニーズを賄うためのサービスメニューを提供していくことは、財政面や要員確保の面からも限界がある。そのため、近隣の市町村間で、福祉にかかわる社会資源の有効活用や民間活力の積極的な導入に向けた共同の取り組みが必要となる。

このようなことから、今後の福祉行政が対応すべき事項も大きく変化する。



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