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1-5 介護保険制度への対応状況

 介護保険制度の施行に伴い想定される各種問題に対処するため、地方公共団体が検討している対応状況は以下のとおりである。
(1)介護保険制度におけるサービス提供への地方公共団体のかかわり方
福祉政策に沿った在宅福祉サービスを提供する環境を整備するための対応は、地域の高齢者数やサービス提供事業者の参入状況等によって異なる。
基本的には、従来の在宅介護支援センターや社協が中心となる。地域にサービス提供事業者が参入する可能性が少ないと予想される地方公共団体では、近隣の地方公共団体と広域で、介護サービスの提供環境を整備することも検討されている。
サービス提供事業への取り組み方法として3パターンが想定される。
?@地方公共団体は直接、サービス提供事業者として登録せず、既存の在宅介護支援センターや社協を中心にサービス提供事業者を誘致する。
?A地方公共団体が在宅介護支援センターに委託する形式で、居宅介護支援サービスを実施する。
?B地方公共団体自ら、居宅介護支援事業者として事業者登録を行う。
 また、地方公共団体が中心となり、地域に参入を予定しているサービス提供事業者と、市場分析やサービス提供方法等について協議を行う協議会の必要性を検討したり、実際に開催している。

 (2)介護保険制度施行後の地方公共団体の役割
 地方公共団体は、地域の福祉行政を担う立場から市町村独自の福祉サービスや介護保険制度に基づくサービス提供の実施状況を的確に把握し、適切な対応を行う責務がある。
 そのため、介護支援専門員等ケアマネジャーのケアプラン作成状況やサービス利用者に対するケアマネジメントの実施内容を的確に把握・評価し、地域の実情にあったサービスを提供できる環境を整備する役割がある。
 例えば、総合的なケアマネジメントを提供するための対応策として以下の事項が検討されている。
?@市町村が直接運営する在宅介護支援センターでは保険所の保健婦を在宅介護支援センターへ配置転換することで、住民のケアマネジメントを充実させる。
?A基幹型在宅介護支援センターを設置し、居宅介護支援事業者として市町村独独自の福祉サービスや介護サービスを統括して対応する。
?B健康福祉センター等、保健と福祉部門の統合を図っていく。
 等である。

 

 

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