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(3)介護保険事務処理システムのハードウエア形態
 事務処理システムを構成するハードウエア形態は、ホスト集中処理型とクライアント/サーバ(以下、「C/S」と略す。)分散処理型に分けられる。
?@住民記録システム等の基幹システムがホストコンピュータで稼働しており、被保険者の資格管理に必要な情報と連動させるために、介護保険事務処理システムもホストコンピュータ上で構築している。(ホスト集中処理)
?A住民記録システム等の基幹システムは、ホストコンピュータで稼働しているが、今後の行政情報の一元化の必要性から、住民記録を始めとした一定範囲のデータを別途ファイルサーバー上にコピーして管理している(又は、開発中)。
 そのため、介護保険事務処理システムはクライアント/サーバー型で開発する。(C/S分散処理)
?B従来からクライアント/サーバー型での構成を採用してきたため、介護保険事務処理システムも同様の形態とする。(C/S分散処理)

今回、ヒアリング調査した市町村で予定されている介護保険事務処理システムは、C/S分散処理で開発を行う傾向が強かった。傾向をまとめると、
○総合行政情報システム構想の一環として、従来、ホストコンピュータによる業務処理で使用していた住民記録や納税情報等の基本情報を、共有ファイルサーバーへ移行し、基幹システムのダウンサイジング化を推進している。システムを再構築するものから順次、C/S型に切り替えている。
○介護保険事務処理システムは、まったくの新しい法制度に基づくものであり、既存法制度のシステム再構築と異なる。したがって、最新技術を採用した開発が可能である。そのため、従来のホストコンピュータよりも、購入コストや運営コストの面で安価で、運営し易い小型コンピュータ(サーバー)を採用しているということが出来る。

なお、クライアント/サーバー型を採用した地方公共団体では、安全性や信頼性の面から慎重な検討が行われている。
 また、既存のシステムが業務委託している機関とネットワーク接続している地方公共団体では、今後、民間の居宅介護支援事業者やサービス事業者の参入による接続先の見直し、オンライン接続禁止条例やセキュリティ対策等について、再検討が求められる。

 

 

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