日本財団 図書館


(3)ネットワーク(オンライン)接続禁止の問題
 コンピュータ・システムのオンライン接続禁止の問題は徐々にではあるが解除の方向に向かっている。前述したプライバシー保護や情報公開の問題などは大いに拮抗するテーマであり、これに絡むシステム化から進めていくと地方公共団体としては大きな障害に突き当たる。当然、慎重に進めなければならない。
 情報の今後の在り方を考える上で指摘したいのは、上述したようなシステムの目的による接続と切り放しをソフトウェア、社会システム・住民意識などの概念に基づいて適宜適切に計画する必要性である。その意味は、例えば住基や税、個人情報などプライバシー問題にかかわる守秘性の高い情報系と、行政側の作成文書・統計資料や広報・公聴関係資料、住民対話など公開性の高い情報系を整理して接続禁止問題をクリアする方法を検討することである。具体的には前者には専用線接続やメインフレーム/端末方式を、後者にはクラアント/サーバ方式によるLANやインターネットを用いるなどの異なるコンピュータ・システムを導入することである。
 これまでの地方公共団体による開発・運用事例では、特に処理するデータ量や方式(バッチ/リアルタイム)、既存システムとの整合性や移行の容易性など、主としてハードウェアや事務処理を中心とした業務分析に基づいてシステムの基本設計が行われてきた感がある。先に二分したような情報系の安全性と公開活用性など、地域社会における行政情報の在り方を再検討してネットワーク、オンライン接続の問題を再検討する時代が来ている。

 

 

前ページ    目次へ    次ページ






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION