3-2福祉総合情報システム構築のアプローチ(第2章)
(1)地方公共団体における福祉分野の情報化の動向と課題(第2章第1節)
市町村への実地のヒアリング調査を行い、また、文献調査の結果も踏まえて、地方公共団体の福祉分野における情報化の現状と動向並びに課題を以下の点について整理した。
?@福祉業務のシステム化の状況
?A介護保険事務処理システムの開発状況
?B住民に対するケアマネジメントの実施状況
?C介護保険制度の施行が在宅福祉に及ぼす影響
?D介護保険制度への対応状況
(2)福祉総合情報システムのあるべき姿(第2章第2節)
従来から地方公共団体は、福祉サービスの提供や行政機関の事務処理を効率的・効果的に実現するため、情報化への取り組みを行ってきた。
しかし、これまでの「与える福祉」から、住民がサービスを選択出来る「選ぶ福祉」への福祉政策の変化により、福祉を必要とする住民の自立支援と自己選択を尊重するために、在宅福祉サービスの充実と効果的なサービスの提供を支援していく総合的な情報システムの必要性が求められるようになってきている。
新たな福祉施策を実現するための対応事項を整理し、福祉行政を支援する福祉総合情報システムのあるべき姿を図3のごとく提示している。
図3 福祉総合情報システムの変化
- (3)福祉総合情報システム構築の課題と対応策(第2章第3節)
- 福祉総合情報システム構築の課題として、
- ?@コンピュータ・システムの開発・運用・教育費用の軽減
- ?A住民記録システムなど他システムとの柔軟な連携
- ?B法制度改定等に伴う事務処理システム等への影響の最少化
- ?Cシステム運用・操作の単純化(容易性)
- ?D将来の高齢者増等を想定した拡張性のあるシステムの採用
- ?E複数の関係機関とのネットワーク接続に伴うセキュリティの確保
- ?F最新情報化技術を活用した情報システムの実現
- の7点を指摘している。
- (4)福祉総合情報システム構築に向けたアプローチ(第2章第4節)
- 福祉業務の事務処理の効率化や地域住民のニーズに的確に対応した福祉行政を実現していくためには、「情報の電子化」と「ネットワーク化」の推進が必要である。
市町村の特性を下記の5つのパターンに分け、それぞれに福祉総合情報システムを構築していくためのアプローチを整理した。
- ?@地域の情報化の進展状況に適したシステムの導入
- ?A福祉サービスの利用者規模に適したシステムの導入
- ?B福祉事業の運営体制に適したシステムの導入
- ?C地域の福祉行政への取り組み方針に適したシステムの導入
- ?D福祉サービスの供給主体ごとに適したシステムの導入
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