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序章 研究の概要

第1節 研究の目的と内容

 行政分野の中でも福祉行政は、住民に最も密接な業務の一つであり、母子、児童・保育、生活保護、身障者、高齢者など多岐にわたっている。特に、高齢者福祉については、これからの高齢化社会に向けて保健・医療分野との連携を図ることにより、一層の充実が求められている。
 こうした中で、平成9年12月介護保険法が公布された。これは、現在の縦割りの福祉制度を再編成し、利用者の選択により、多様な主体からの保健・医療サービス、福祉サービスを総合的に受けられる仕組みの創設などをねらいとしたもので、これに伴い、市町村においては、平成12年4月から介護保険事務処理システムを導入することになる。しかも、新たなニーズに対応して、福祉サービスを始め様々なサービスの拡充及び整備を図るとともに、多様化している関係機関が相互に情報の共有化を図るなど、有機的に連携して、効果的かつ効率的にサービスを提供する必要がある。

 本研究では、近年の国及び地方公共団体の福祉行政の動向を把握し、地方公共団体において求められる介護保険事務処理システムとそれを包含した総合的な福祉情報システムの構築及び保健・医療・福祉の連携をも支援する情報システムの在り方について調査研究を行った。
 まず、地方公共団体の福祉行政と福祉情報システムの現状について、ヒアリング調査及び文献調査を行い、福祉分野の現状と今後の動向を明らかにした。
 その上で、福祉総合情報システムのあるべき姿を描き出し、システム構築に最適なアプローチを検討した。
 また、在宅サービス提供にかかわるケアマネジメントの実施において、関係部門及び関係機関等が有機的に連携して、効果的かつ効率的なサービスを提供するための情報システムの在り方について検討するとともに、開発・運用する上での課題について分析を行った。

 

 

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