(5) アウトソーシングするベンダーの募集、評価、選定
我が国の地方公共団体のアウトソーシングは、随意契約で行われる場合が多く、アウトソーシング先のベンダーを競争入札で決定する事例は少ない。これは、これまで地方公共団体に行ってきたサービス・ノウハウの蓄積や、アプリケーションの独自性等から特定のベンダーと随意契約を結ぶ必要があるためである。しかし、特定のベンダーへの依存体質を作り出す可能性があることに留意する必要がある。
また、平成11年2月17日に公布、施行された地方自治法施行令の一部改正する政令及び地方自治法施行規則の一部改正する省令に伴い、入札において価格だけでなくそのほかの要素も含め総合的に判断して、最も有利なものをもって申し込みをしたものを落札者とすることが可能となった。そこで競争入札によりアウトソーシング先のベンダーを選定する場合は、表4-13に示すような評価項目が想定され、各地方公共団体のアウトソーシングの目的により重み付けを行い総合評価をする。
また、入札に参加するベンダーに対してはアウトソーシングの目的、対象業務、情報システムの現状(問題点)等に関する情報を可能な限り提供することが望まれる。詳細な情報提供をすることにより、ベンダーからより適切で詳細な提案を得ることが期待できる。
表4−13 アウトソーシング先のべンダーの選定の評価項目
評価項目 |
具体的な内容
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ノウハウ |
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地方公共団体へのサービス提供実績
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民間企業等へのサービス提供実績
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技術力 |
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質の高いサービスを提供可能な技術力と人材資源
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独自性のある技術やサービス、及びその地方公共団体への効果
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安定性 |
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安全・信頼性 |
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危機管理、セキュリティ対策の高さ
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トラブル発生時の対応、補償
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コスト |
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サービス内容に対するコストの適正さ
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現状と比較したコスト削減効果
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その他 |
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提案内容の分かり易さ、具体性
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アウトソーシングの推進体制
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