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(3) アウトソーシング責任者及び検討組織の設置

 地方公共団体内、もしくは情報システム部門内においてアウトソーシングを行うことが決定されれば、アウトソーシングの責任者及び検討組織を置いて、効率的に推進することが必要である。もし、行政改革等の一環として情報システムのアウトソーシングを行うのであれば、情報システムのアウトソーシングの検討組織を行政改革検討組織の下位組織として設置したり、アウトソーシングの責任者を行政改革検討組織のメンバーが兼任する等により、行政改革の内容と十分な整合性を図ることが重要である。
 一方、組織的な決定でなく、運用管理の効率化方策の検討に基づきアウトソーシングを推進する場合においても責任者を置き、推進体制を構築することが望ましい。情報システムに関わる資産やコストの変動が想定されることから財務会計部門や総務部門との連携を図ることも重要であり、必要に応じてユーザー部門の代表にも協力を得ることが望まれる。アウトソーシングの内容の検討、ベンダーの評価、選定等の作業は複数のメンバーによる客観性を確保した実施が必要であるが、作業全体の効率的な推進を図るため最終的な責任者を決定することが不可欠である。
 なお、アウトソーシングするベンダーが決定した後は、ベンダーの担当職員等をメンバーに加えて検討を進める必要がある。また、複数の地方公共団体共同によりアウトソーシングを検討する場合は、中心となる地方公共団体を決定し、各団体の代表者による検討組織を設置することが望ましい。

(4) アウトソーシングする業務内容の検討

 情報システムの現状、問題点等を踏まえアウトソーシングする業務内容を決定する必要がある。事後評価からのアプローチでは、評価の段階において既にアウトソーシングする業務内容が決定していることが想定されるが、組織的決定からのアプローチでは行政改革等の大きな方向性を踏まえ、この段階においてアウトソーシングの可能性や対象となる業務内容を検討する。
 アウトソーシングする業務内容は、情報システムに関わる業務分類や情報システムの種類により表4-12に示すように細分化可能である。我が国の地方公共団体においては、情報システムごとに検討する事例が多く、企画・設計から構築、運用管理までアウトソーシングする事例も見られる。しかし、今後は、システム横断的なアウトソーシングや海外の地方公共団体に見られるような包括的なアウトソーシングについても必要に応じて検討することが望ましい。

 

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