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(8) アウトソーシングの効果

 当初の目的であった、災害対策や2000年問題への対応に関しては、セキュリティ・レベルの高いベンダーのセンターに汎用機を移設したこと及び二つの汎用機を一定期間並行運転し、片方で対応作業を行うことで達成されている。
 また、内部における運用管理業務の軽減が図られており、既に情報システム部門の職員のローテーションが順次推進されている。
 加えて、汎用機をCPUの利用状況による従量契約とすることで、新たな汎用機を自己導入する場合と比較してコスト削減が図られており、コスト削減効果は5年間で2.7億円と試算している。

(9) アウトソーシング推進上の留意点

 アウトソーシングを推進する上で推進責任者、つまりマネジメント・レベルでのリーダーシップが重要である。推進責任者には必ずしも情報システムに詳しい人が適任とは限らず、情報システムだけでなく、組織内の経営全体を理解している人材が望ましい。
 また、情報システムに関する業務を全面的にアウトソーシングすると、アウトソーシングの内容評価が困難になり、情報システムに関する知識の空洞化が生じる可能性がある。そこで、国分では、情報システム部門内にシステム開発機能を残しており、また、複数のベンダーと共同で開発プロジェクトを進めることで知識の空洞化に対応している。
 このほか、特定のベンダーに依存する等の1社集中の弊害を回避するため、国分では、汎用機、システムインテグレーション、汎用情報システム「WING2」、CVSチェーンシステムをそれぞれ別のベンダーにアウトソーシングしている。

(10) 今後の方向性
 
 昨年、各地域の支店等にサーバを置くパソコンによるCSSの導入を試みたが、全国の分散するユーザーのサポートが大変困難であると確認された。今後は汎用機、サーバ等は可能な限り集約し、運用管理の労力を削減する方向である。
 また、国分は物流管理等においてISO9002を取得しており、アウトソーシングベンダーの管理に関しても一定の品質管理基準に基づいて評価を進めている。

 

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