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3−2 地方公共団体におけるシン・クライアントの活用分野

 シン・クライアントは、サーバによる管理が強化されており、トラブルの減少、安定性の向上が図られる反面ユーザー側の自由な利用は制限される。したがって、図3-1に示したように、非定形的な業務や、高い情報リテラシーを有するいわゆるパワーユーザーには物足りないところがある。このような特性から地方公共団体においては以下のような活用分野が想定される。なお、これらの想定分野は一般的な評価によるものであり、各地方公共団体の状況において活用の有効性は異なる。

(1) 窓口端末等の業務端末

 住民票の写し、税等に関わる窓口業務に利用する端末で、利用するアプリケーションがある程度限られているような場合、シン・クライアントの利用が想定できる。これらの業務では住民の個人情報を取り扱うので、セキュリティの高さの面からもシン・クライアントの活用は有効であろう。
 このほか、財務会計等に利用アプリケーションが限定され、かつ、ネットワーク利用が必要な情報システムの端末としてもシン・クライアントの有効利用が想定される。

(2) 図書館、博物館等の情報提供端末

 神奈川大学の例からもうかがえるように、不特定多数の利用者が想定される情報提供端末としてシン・クライアントの活用は有効である。ハードディスク・ドライブを持たない、NCやWBTでは、リセットするだけで状態の初期化が可能であり、利用者のイタズラ等によるトラブルも最小限に抑えることが可能である。

 

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