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(1) NetPC

 NetPCはZAKと併用することを前提に運用管理の効率化に寄与するとマイクロソフトではしている。しかしながら、ZAKはNetPC以外の普通のパソコンにおいても利用が可能であり、普通のパソコンと比較したNetPCのメリットは、CD-ROM・ドライブやフロッピディスク・ドライブがないこと、ケースが容易に開けられないこと等に限られてしまう。コスト的なメリットに関しても、実際には生産数が少ないことからかえってコスト高になっている場合もあり、「NetPCを導入しようと考えたが、普通のパソコンの方が安いのでそちらを導入した」という地方公共団体も見られる。
 このようなことから、現状ではパソコンをNetPCに置き換えることにより大きな効果は期待できないと考えられる。CD-ROM・ドライブやフロッピディスク・ドライブがないことから余計なソフトのインストールやデータの持ち出し等を防止できる点、既存のパソコンと完全互換である点等を考慮すると、高いセキュリティが望まれる業務システムの端末の更新・追加への活用等は有効であろう。

(2) NC

 NCが普通のパソコンと大きく異なる点は、OSやアプリケーション・ソフトウェアを端末内に置いていないという点である。NCは起動時にこれらをサーバからNC内のメモリーに読み込む仕組みになっており、これらのOS等を個々の端末内に持つパソコンと比較して安定性が高いと言える。また、ハードディスクを持たないことから、不用意な電源オフやリセットによるデータ消失等の心配もなく、情報リテラシーの高くないユーザーが利用する場合に有効であると考えられる。
 ただし、限られたメモリーの中でOSとアプリケーションを起動するので、大きなアプリケーションや複数のアプリケーションを必要とする業務には不向きであろう。また、現状ではワープロ、表計算等の汎用的なアプリケーション・ソフトウェアの開発・普及があまり進んでおらず、既存のパソコンやNC同士に関しても互換性が十分に確保できているとは言い難い。
 このほか、パソコンの低価格化に伴いコスト面でのメリットはないと考えられるが、スペース的にはパソコンより省スペース化が実現されている。このようなことから、NCに関しては、利用するアプリケーションが限定され、ユーザーの情報リテラシーが一定でない、不特定多数の利用が想定される端末への活用が有効であると考えられる。

 

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