第2節 シン・クライアントの活用事例
シン・クライアントは出荷されて間もないことから活用事例もそれ程多くない。以下にシン・クライアントの活用事例として、神奈川大学図書館とトステム(株)の事例を整理する。神奈川大学図書館ではNCを先駆的に導入し既に運用管理面で効果を挙げており、また、トステム(株)では、1998年秋に出荷が開始されたばかりのWindows-based
Terminalを実験的に導入している。
2−1 神奈川大学図書館
神奈川大学図書館では先駆的にNCを導入しており、その活用事例を以下に示す。
(1) NC導入の経緯
1990年に導入したIBMの汎用機を使った図書館システム・パッケージによる図書館蔵書検索の検索インターフェイスの改善、インターネットと図書館内の検索方式を統一することを目的としてシステム構築に着手することになった。
○ |
NC端末をWebブラウザーOPACとして導入以前の蔵書検索の問題点 |
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?@ |
2系統検索方式の統一インターネットからはTELNET方式、図書館構内では専用端末方式 |
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?A |
検索インターフェースの改善TELNET方式、専用端末方式ともに検索方法がわかりにくいこと |
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?B |
館内OPACにインターネットの情報検索機能を追加することを目的館内の既存のOPACは専用端末方式のためインターネット接続機能がないこと |
○ |
システム改善を達成するためのシステム要件について |
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?@ |
検索インターフェイスそのものをわかりやすいものに改善する。 |
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?A |
インターネットと図書館内の検索方式を統一する。 |
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?B |
インターネットを含めたオープンな検索を実現する。 |
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?C |
図書館から蔵書検索以外の情報提供を可能にする。 |
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?D |
新たなサービスの追加に対してOPACの変更を限りなくにゼロすること。 |
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?E |
検索のために必要なコンピュータリテラシーを最小限にとどめること。 |
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?F |
図書館内のOPACは集中管理可能な方式を選択する。 |
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