(2) NC
NCはオラクルのラリー・エリクソン会長が発表した「500ドル・パソコン構想」から発展したシン・クライアントであるが、大きな特徴はNetPC、Windows-based
Terminalと異なりマイクロソフト以外のOSを搭載していることにある。現在、いくつかの規格が提唱されているが、その中でも1996年5月にアップル、IBM、オラクル、サン・マイクロシステムズ、ネットスケープ・コミュニケーションズの5社が共同で発表したNCの共通仕様であるNCRP(Network
Computer Refferance Profile)が中心的な規格となっており、NCの標準規格と考えられている。ただし、NCRP仕様はハードウェアの設計やJavaの実行等、いくつかの条件を指定する緩いものとなっており、NCRP仕様のNCも細かくはいくつかに分けることができる。代表的なNCRP仕様には、オラクルの子会社であるNCIと製造会社数社で構成する「NCI仕様」、サン・マイクロシステムズの「Java
Station」、IBMの「Network S-taition」であり、東芝等もNCRP準拠のNCを発表している。
このほか、NCRP仕様には準拠していないが、NCに類似した規格として日立ソフトウェアエンジニアリングの「Network
TerminalED」、日本電算機の「iBOX-1c」等がある。
表3−3 NCRPの主な仕様
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ハードディスク・ドライブ、CD-ROM・ドライブ、フロッピディスク・ドライブはなし |
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Javaの実行環境を搭載 |
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ICカードを個人認証用に利用する(オプション) |
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TCP/IPの代用的なプロトコルをサポート |
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表3−4 NCの分類
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