1−2 シン・クライアントの種類
シン・クライアントに関しては様々な規格が提案されているが、大きくはNetPC、NC(NetworkComputer)、Windows-based
Te-rminalの三つに分類することができる。
(1) NetPC
NetPCは1997年6月にウィンテル(マイクロソフトとインテル)により提唱されたシン・クライアントの規格であり、サーバ側でハードやソフトの設定を集中管理することを前提としている。マイクロソフトでは、同社のZAK(Zero
Administration Kit)という運用管理ツールを併用することで最大38%のTCO削減が可能であるとしている。NetPCが通常のパソコンと大きく異なる点はCD-ROM・ドライブやフロッピディスク・ドライブを持たなくてもよい点と、自由に開閉できないシールドケースになっている点である。一方、ハードディスクがあり、そこからアプリケーションを起動するという点は通常のパソコンと同様であるため、Windowsパソコンを活用した既存の情報システムと完全な互換性が保たれることがメリットとして挙げられている。
インテルはその後、NetPCから派生した規格としてハードディスクを持たないディスクレスPCや、CPUのみをインテル社製としOSを特定しないリーン(やせた)クライアントを提唱している。
表3−1 NetPCの主な必要条件
・CPUが133MHz以上のPentiumプロセッサ
・16メガバイト以上のメモリー
・エンドユーザーが簡単に開けられないシールドケース
・ハードディスクを備える
・CD-ROM・ドライブ、フロッピディスク
・ドライブは装備不要・最低一つのUSBポートを備える
・小型のケースデザイン
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表3−2 ZAKの主な機能
機能 |
機能の概要 |
デスクトップ集中管理 |
システム管理者は、ユーザーが仕様を許可するビジネスアプリケーション、デスクトップの表示内容やユーザーにデータの保存を許可する場所を正確に指定することができる。これらすべては集中管理でき、ユーザーの設定作業はなくなる。 |
ローカルアクセス禁止 |
ユ」ザ」は自分のデスクトップにアプリケーションをインストールしたり、システム構成に変更を加えることができなくなり、システムダウンによる無駄な時間が削減される。 |
アプリケーションとデータのサーバヘの保存 |
ハードディスクをキャッシュ(一時保存)として使用することで、その都度ネットワークアクセスすることなくアプリケーションが利用できる。バックアップとセキュリティ管理が一元化でき、アプリケーションのアップグレードも一括して容易に行える。 |
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