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(6) 運用管理の効率化方策の検討

 評価を基に情報システムの運用管理の効率化方策を検討する。効率化方策は第1章で整理したように多様であるため、経済性評価等から現状の情報システムの問題点を整理し、それに適合した効率化方策を実施する必要がある。ベンチマーキング的な観点から比較評価におけるベストプラクティスを研究することが考えられるが、ベストプラクティスを参考としつつも、情報システムの現状や特性等の違いを考慮して、組織に適合した効率化方策を検討することが望ましい。
 また、コスト面での比較からコスト削減を目的とした効率化方策が重視される恐れがあるが、コストが削減されると同時に効果も減少することがないよう配慮する必要がある。例えば、FUTZファクタやピア・サポート等のユーザー側のコストに関しては、一概に削減することが望ましいとは言えず、これらの項目がユーザーの情報リテラシー向上に寄与していることに配慮する必要がある。

(7) 評価サイクルの構築

 情報システムの経済性評価は、1回の評価で完結するよりも、評価を基に改善目標を設定し、それを基に次の評価を行うといった、評価サイクルの構築に結びつけることが望ましい。評価サイクルを構築することにより、時系列的な評価が可能になるだけでなく、情報システムの継続的な改善が期待される。
 評価のサイクルは、評価に必要な労力や地方公共団体の予算編成及び情報通信技術の発達スピード等を考慮して、定期的に行うことが望ましいが、大きな情報システムを構築した場合は、その前後において評価を行うことも考えられる。

 

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