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(4) 調査による必要な情報の抽出

 ユーザーにアンケート調査を行い、評価に必要な情報を抽出する必要がある。すべてのユーザーにアンケート調査を行えれば、精度の高い評価が可能であるが、その分労力が大きくなる。特に都道府県や政令指定都市ではユーザーも膨大な数になると考えられ、地方公共団体の規模に応じて調査対象の絞り込みが必要であると考える。ただし、調査対象を絞り込む場合は、ユーザーの年齢、所属、性別等を可能な限り全体の構成に近いサンプリングを行うことが望ましい。
 また、情報システム部門で把握困難な情報に関しては、原課や財務会計部門、総務部門等にヒアリング調査を行い抽出する必要がある。
 このほか、FUTZファクタ等、ユーザーが回答しにくい項目に関しては、誰が回答したか分からない方法でアンケートを回収する等、回答率を上げるための仕組みをつくることが望ましい。

(5) 評価の実施

 単独評価では、各評価項目の総コストに占める割合や、利用者数や端末数に対するコストの割合等を整理することで、問題点を明らかにする。複数事例の比較評価では、各評価項目ごとにほかの地方公共団体と比較することで相対的な評価を行い、自団体のコストがほかの団体より著しく高い場合はその要因を究明することが不可欠である。
 また、評価を効率化方策や目標設定に反映する場合は、経済的評価だけでなく、定性的な評価も含め総合的に検討することが必要である。

 

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