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1−1  情報システムの評価の動向

情報システムの評価に関わる動向を以下に示す。

(1) 調達時における評価

 評価の内容は様々であるが、情報システムを調達するに当たり、その評価を行う場合は多い。特に競争入札において情報システムを調達する場合は、入札に参加するベンダーの提案を比較し、調達先を公正に決めるため、必ず評価が行われる。 また、1995年1月に発効されたWTO協定(世界貿易機関を設立するマラケシュ協定)の附属書4に掲げられた政府調達協定により、我が国の地方政府(都道府県、政令指定都市)においても協定に基づいた公正な入札が進められている。
 実際の入札時の評価は、評価項目と評価組織を作成し、評価組織の各メンバーが評価項目に基づき採点するのが一般的であり、具体的な評価項目としては「機能」、「使いやすさ」、「業務との親和性」、「支援体制」、「構築スケジュール」、「ベンダーの信頼度」等がある。



表2−1 昭島市の住民情報システム調達(開発業者選定)における評価方法
評価組織 課長4人、係長8人、係員10人からなる「昭島市住民情報システム開発に関する提案書評価
審査委員会」を設置した。
評価項目 以下の10項目を評価審査項目とし、その下に113項目の評価判断基準(小項目)を設けてい
る。
  ・ ハードウェア  ・ ソフトウェア(機能・技術関係)
  ・ ソフトウェア(アプリケーションパッケージ関係)
  ・ 操作性、運用性  ・ 協力支援体制  ・ 開発スケジュール
  ・ データの移行作業等  ・ 提案業者の体制、実績
  ・ プライバシー保護、セキュリティ対策  ・ 新庁舎への対応
評価方法 評価判断基準毎に以下の基準により評価を行う。
各評価審査項目の点数10点とし、評価判断基準項目数で除した数値を各判断基準に倍率
としてかける。
審査項目には重要度による倍率も設定する。
  ・ 他社より明らかに優れている(標準値以上)・・・・・   2点
  ・ 標準値以上と標準値の中間値  ・・・・・・・・・・・・・ 1.5点
  ・ 他社とほぼ同等である(標準値) ・・・・・・・・・・・・・   1点
  ・ 標準値と標準値以下の中間値  ・・・・・・・・・・・・・ 0.5点
  ・ 他社より明らかに劣る(標準値以下) ・・・・・・・・・   0点
(出典:(財)地方自治情報センター『地方自治コンピュータ 1997.8』)

 

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