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3−4 アウトソーシングの活用

(1) アウトソーシンゲの定義

 「アウトソーシング」とは、文字どおり、OUT(外部)のSOURCE(資源)を活用することであるが、これまで様々な定義がされている。本調査では、島田達巳『実践アウトソーシング』(1998年)を基に「アウトソーシングとは、ある組織からほかの組織に対して、組織の機能やサービスのすべて、もしくは一部を委託すること」と広く定義し、調査を行った。

(2)  地方公共団体における情報システムのアウトソーシング

  多摩市が中心となって行った共同研究である(財)地方自治情報センター『アウトソーシングによる電算業務運用の調査研究』(1995年)によると、人口12万5千人から40万人の84市を対象に行った調査から以下に示すような運用管理の傾向が見られる。

●基幹業務は内部処理している。
●プログラムは委託開発している。
●汎用機のオペレーションはアウトソーシング(一部含む)している。
●コンピュータは自庁内に設置している。
●庁内に情報システム部門がある。
●運用を所管にオープン化していない。



(3) アウトソーシングの有効性

  事例調査を行った結果、アウトソーシングはコスト削減効果以外にも多様な効果を創出しており、有効性が確認された。一概にアウトソーシングが有効であるとは言えないが、明確な目的を持ってアウトソーシングに取り組むことが望ましく、目的は情報システムの運用管理の効率化に限定せず、行政改革等、組織全体に関わるものも想定される。


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