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緩和医療に限らず人間関係の最も根本的なことがコミュニケーションで、今回のこの研修目的の中でも最も期待し、習得したいことであった。社交的コミュニケーションと専門的コミュニケーションについての違いが明確になり、背景に看護の専門的知識と技術があることがカウンセラーとの違いであり、そのことで信頼感を深められることにも自信を持てた。SP(シミュレーション・ペイシェント)とのロールプレイは初めての体験だったが、とても参考になった。これまでターミナル後期の患者さんには足が遠のきがちだったが、今後はそこにこそ足繁く訪室し、逃げないでしっかり受け止めていこうと決意している。また、入院時のアナムネーゼでは癌の告知の有無にかかわらず、病気の自己認知がなかなか踏み込んで聞けなかったが、具体的方法が分かってすぐにでも活用していけると思う。
 次に家族援助については、小児看護では家族が常に一つの単位として関わっていたのに、成人看護では逆に家族関係はプライバシーの保護も考慮してあまり深く立ち入らないことがベターというような価値観が自分自身の中にあった。

 

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