11)コミュニケーション論
1日目は講義とロールプレイが行われた。2日目も講義の後、模擬患者に参加していただきトレーニング・セッションが持たれた。患者や家族とのコミュニケーションにおいては、「内容」ともうひとつ「感情・気持ち=メッセージ」を指し示す「キュー」を見逃さない観察力と感性が必要とされ、カウンセリングにおいては、「他者受容」できるには「自己受容」ができること、そのためには自己防衛規制をとり客観的事実を受け入れる訓練が必要とされる。実際のトレーニングでは、オープニング→傾聴→情報収集→共感的コミュニケーション→説明・真実告知・教育→マネージメント→クロージングのプロセスを踏まえて行うという指導を受け、各セッションごとの振り返りと技術指導があった。
トレーニングや実習において、「有効な沈黙」および「開かれた共感」を表現することが難しいと感じた。現場において自己訓練をしていきたい。私にとって同情と共感の違い、および共感したことをどのように扱うかとしり課題があった。感情の取り込みと内的反応の後、患者が自分の気持ちを整理できるように再対象化して、次のステップに導くことが看護婦のコミュニケーションにおける役割であると学ぶことができた。
まとめ
このたびの研修は、自己施設のPCU開設のために緩和ケアの基礎を学ぶことにあり、このレポートは基礎を中心にまとめた。実習においては、参考となる施設の充実性に欠ける面はあったが、このことはかえってチーム医療と全人的ケアの本質について深い感慨を持って知ることができ、研修の成果は十分に達せられたと考える。
PCU開設に向けて学んだことを病院全体やそれに関わるスタッフに還元し、広く共通認識とすることが次の課題である。また、研修センター一回生である同窓の方々も大切な財産となり、積極的に情報を交換し合い、私の支えとなってくれることを願う。
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