十分な副作用対策をし、患者にこれ以上の苦痛を決して与えてはならないことを私たちは肝に銘じるべきであると痛感した。医療者の知識不足から患者に苦痛を与えることがないように絶対すべきである。
?疼痛コントロールと看護婦の役割
痛みに関する正しい知識を持ち、目標を設定し、痛みの評価を行いながら十分にコントロールできるようにする。モルヒネの副作用が出現する前に対応することが重要である。服用前の排便状況、食事摂取量等のアセスメントを十分に行っておくことが重要であると思う。投薬時、患者・家族に対して説明しておくことも大切である。投薬以外に、リラクゼーション等も大切であると思われる。忘れてはならないのは、がん患者の訴える身体的な痛みはたとえ弱いものであっても、薬などで確実で取りのぞくべきであるということである。
?消化器症状
終末期は8割程度に口腔内の症状があるといわれている。患者のADL状態、全身状態、保清の状態をアセスメントすることが大切である。また口腔内のケアは看護にかかっている。出現している消化器症状の病態生理を理解し、患者の価値観のもと看護者が何ができるかを考えることが大切であると思う。苦痛の緩和のために治療を優先する必要もあるが、その時もいかにADLを確保し、QOLを高めるかを考慮しなければならないと思う。講義では、イレウスで経口摂取できなくても、口腔で味わい吐き出しても満足感を持つ患者がいるということであったが、どこに価値観をおくかで患者の満足は得られると思う。患者がどういう生活がしたいかでケア処置が違ってくる。
(8)進行がん患者の心理的特徴と援助について
がん患者はがん症状を自覚した時が一番不安が強い。しかし治療段階、闘病期間ずーっと不安をもっている。それは時期により強かったり弱かったりすると思われる。がん患者の不安は不確かさに対する不安といわれる。コーピング理論を用いることで、危機に対して患者がいままでどんな対処行動をとってきたか知ることができ、問題解決モデルを用いて分析していくことで危機を回避、あるいは問題解決のための介入が可能になる。臨床の場ではなかなか理論を用いることは少ないが、専門的な分析をしていくことは適切な裏付けを持ったケアを提供していくという意味で非常に大切なことであると思う。実際に危機モデルを用い事例を分析したが、それぞれの看護観等で違ってくると思う。
?精神症状の援助
せん妄、抑うつ、うつについて学んだ。精神症状の援助は観察力とそれをどうとらえるかにかかってくると思う。誤った判断、介入をすることで今以上に追い込んでしまうのではないかと思う。専門的なアセスメントが重要であると同時に同様の対応が望まれる。正しい正確な投薬が必要と思う。
?スピリチュアルペイン
この講義は楽しみにしていた。チャプレンとは宗教的な心のケアを担当する人である。ターミナルケアにかかわる者の使命として、看護婦が患者の癒しの器になる。それは余命半年以内の人が入院してきて、その人の最後の出会いは病院の看護婦であるということ。
大きな責任を感じる。スピリチュアルペインは人間全てが持っている叫びであるが、ある極限の状態の時に出現するといわれる。そうしり患者さんにかかわる私たちは死生観をしっかり持ち、誠実に覚悟を持つことが必要であることを実感した(そこには死しかないから)。しかし、いつの時も希望を持つことを忘れてはならない。
(9)がん患者の家族の援助について
患者と家族は一体であって、家族も一緒に病んでいることを忘れてはならない。家族に関しては喪失の悲しみが表出できるようにかかわることが重要である。グリーフケアも忘れてはならない。しかし現在はいろいろな家族形態があり、家族システム理論等を用いて分析し、かかわる必要があることを認識した。
(10) コミュニケーションについて
ロールプレイを通し、コミュニケーションの難しさを再認識するとともに、今まで果たして専門的なコミュニケーションができていたか疑問を感じてしまった。沈黙も必要であるが、不必要な沈黙は患者にとって苦痛なだけである(看護婦はもっと苦痛を感じると思う)。
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