自分がなにを知りたいのか相手にしっかり伝えるところがらコミュニケーションが始まるといわれ、それもあまり伝えていなかったなあとしっかり自分の振り返りができた時間だった。今後臨床で今回学んだコミュニケーション技術を駆使していこうと思うが、意識して経験を重ねていかなければならないと思う。
(11)チームアプローチについて
実習を通し普段は奥深くに押し込んでいる感情がでてきたように思った。お互いの細切れの情報をつなぎあわせて地図を作成した時は、お互いがそれぞれの役割を果たしていた。自分の役割を認識し、メンバーの情報を聞きながら役割を遂行していくことの大切さを再認識できた。自分一人の情報なんてちっぽけなもの。周りの情報を聞く余裕、柔軟性が重要である。
今後の課題
(1)看護について
ターミナル期だけではなく、どの状態であっても緩和ケアは必要である。私の勤務する病院は大学病院という特殊性もあり、緩和医療に対しての意識が低いように思われる。亡くなる直前まで治療を続けていることが多い。患者を全人的にとらえ、今以上の苦しみを与えることがないようにかかわっていかなければならない。患者の身体的・精神的・社会的状況を的確にアセスメントする。理論を用いた分析をし、適切な介入に結びつけていきたい。最初はかなりの困難があると思うが、スタッフを巻き込みながら行っていきたい。
今まではなかなかベッドサイドに座る時間がとれなかった。とれたとしても時間を気にしながらということが多かった。そんな状況で患者は常に看護婦に気遣っていることが多く、心に添うようなかかわりには遠かったように思う。今後コミュニケーションで学んだことを念頭に、自分の思いを患者に伝えながら患者・家族の思いを知り、価値観を尊重し、QOLが高められるよう積極的にかかわっていきたい。
がん患者の疼痛のコントロールが適切に行われるように、痛みの評価を行い、どんな痛みであっても除去できるよう医師に情報を提供し、働きかけていく。患者が安心して訴えられる環境を整え、ここに入院してよかったと思われるような看護を提供していきたい。
そのためにも心に余裕を持ち、患者の気持ちに寄り添えるようにかかわっていかねばならない。他のスタッフが同様のかかわりができるように、スタッフ教育を行い、今回の受講で知り得たことをしっかり伝え実践していけるようにしなければならない。
(2)緩和ケア病棟開設にむけて
今回の研修を受講したことで、私の施設の抱える問題点がより明確になってきたように思う。
?緩和医療が適切に行われていない(他の所属では、なんとかできているところはあるようだが、一番死亡件数の多い私の所属は適切とまではいかない)。大学病院という特殊性もあると思うが、治療がかなり優先されており、緩和医療が中心の時期になってもなかなか切り替えができない状況がある。不必要な点滴、投薬等最後の最後まで行っている現実がある。私たち医療者が意識の変換を行っていかなければならない時期にきていると思う。また告知率の低さも要因のひとつと考える。
?チーム医療の不備
コ・メディカルはほとんどかかわってきていない。他部門との連絡が悪く、今後開設にむけ協力体制を整えていかなければならない。院内の緩和ケア学習会にさえも医師、看護婦以外出席していない現状があるため、PT・薬剤師・栄養士等、必要であれば他の部門にも必要性を説明し積極的に働きかけていきたい。
?スタッフ教育
他の研修履修者とともに緩和ケアについて学習の機会を設けていく。開設後の教育を視野に入れ、具体的に教育計画をたてていく必要がある。安全で適切な緩和ケアを提供するためにマニュアルの作成。
?環境の整備
物品等はほとんど決定しているが、それが適切であるのかどうか検討を加えていく。目標はできるだけ家庭的な暖かな雰囲気に近付けるようにする。
?ボランティアに関して
ボランティア導入の予定もあるため、情報を看護部に提供していく必要がある。
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