?リハビリテーションにおいてもチームアプローチが大切である。
〈同7 −疼痛コントロール−〉山形譲二先生 神戸アドベンチスト病院・副院長
?疼痛コントロールの原則は、定期的投与・段階的投与。目的は、QOLを向上させるために行う。
?WHO方式疼痛治療指針(3段階式癌鎮痛治療ラダー)−消炎鎮痛剤→弱オピオイド→強オピオイド。効果が不十分な時は一段階上の薬剤に切り替える。第1、第2段階の薬剤の効果が十分でない時は、躊躇せずモルヒネを使用する。疼痛の程度によって、どの段階から開始してもよい。
?モルヒネの最適量とは、「耐えられない副作用をもたらすことなしに、痛みを除去するのに必要な量」。モルヒネを鎮痛剤として使用している時は、投与量の上限はない。
?疼痛治療目的のために使用される場合、精神依存は形成されない。
?鎮痛補助剤の効果的使用。
〈同8 −疼痛コントロールと看護婦の役割−〉井上米子先生 神戸アドベンチスト病院・ホスピス婦長
?Total Pain強調の弊害を意識する。「身体的な痛みは、たとえそれが弱いものであっても、薬などで確実に取り除くべきで、決して精神的な対応を先行させてはならない」。
?痛みに関する正しい知識を持ち、医師、薬剤師、理学療法士など、医療者同士が連携を作って適切な治療・ケアを提供できるようにしなければならない。
?侵害性受容性疼痛・神経因性疼痛・心因性疼痛。
?痛みがどの部位にどんな時強くなるのかよく観察し、「信頼のできる正確な記録と理由」をもって主治医にアプローチして適切な除痛が行われるようにしなければならない。
?ホスピスの看護婦は、一般的看護技術ができる。徹底したやさしさを貫ける。疼痛コントロールができる。十分なケアができる。そして患者に受容されなければならない。
〈同9 −消化器症状−〉鳥居 芽先生 日本バプテスト病院・ホスピス婦長
?症状の原因は一つではない。原因を特定する前に処置をする。
?ケアするのみでなく、効果、症状、QOLの変化、副作用等について観察していく。
?終末期とは“もう回復が期待できない状態にある”ことを意識して、QOLの低下をできる限り防ぐために家族も一緒にケアをしていく。セルフコントロールも支援する。
?症状コントロールの限界と患者の希望のずれに注意する。患者にとって最大の苦痛は何か、現状をどう認識しているか明確にする。実習の報告と き:11月9日〜11月20日ところ:宗教法人在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院〈目的〉
?実習施設のホスピスケアの実際を通して、ケアに必要な知識、技術、態度を学び自分の施設に生かす。
?自分がホスピスケアを行う上で必要な情報(施設の設備、人員、勤務体制、スタッフの教育方法等)を収集し、分析し、自分の施設に活用できる。
〈学び〉
?ホスピスケアの理念、目的について
“全人医療=体と心と魂の3つを癒す”という理念の基に、その人らしい“生”を全うできるように援助することを目的とする施設であると位置付けされている。ホスピスは、まさに理念にある3つの癒しが洗練されて行われているところと理解した。医療という“正義”の名の下に医療従事者は公然と患者を“物体”として取り扱ってしまっているように思う。その人らしい“生”を全うできるように援助するということは、個人の権利、自由、価値観を尊重するということでもあると理解した。
?ホスピスケアの実際とチームアプローチ
ホスピスに関わる全ての人達が同じ理念を持ってそれぞれの立場から患者さんに関わり、アプローチをさ
れていた。看護婦が患者さんにあわせてケアの時間を調節し、ゆっくりと話を聞く姿勢。
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