?全人的苦痛の理解−身体的精神的・社会的・霊的苦痛を理解する。
?チーム医療の利点の理解−総合的に判断できる、多くの必要性を満たすことができる、方針の一致した医療が行える、パターナリズムから脱却できる、お互いに理解し援助し合うことができる。
〈緩和ケア〉吉田智美先生 神戸大学医学部付属病院・癌専門看護士
緩和ケアナースに求められることは、日常生活の援助、心理的援助、傾聴する姿勢、理解、調整マネジメントをする。看護婦の役割を理解している。プロセスの中に何が起こったか分析、研究、伝達ができる。
〈生命倫理〉加藤尚武先生 京都大学大学院文学研究科
?生命倫理の5原則。(a)成人で判断能力のあるものは、(b)身体と生命の質を含む「自己のもの」について、(c)他人に危害を加えないかぎり、(d)たとえ当人にとって理性的にみて不合理な結果になろうとも、(e)自己決定の権利を持ち、自己決定に必要な情報の告知を受ける権利がある。
?インフォームド・コンセントの基本原則。(a)治療の選択肢、リスク、コストを告げなくてはならない。(b)有効同意を欠く侵襲は暴行である。
〈看護倫理〉片田範子先生 兵庫県立看護大学
?倫理原財(規範としての倫理)=自立、悪事を行わない、善行を行う、公正、正義、忠誠、正直、誠実、有用性。倫理とは、社会の中でどう生きるか、どうあるべきかを考えること。社会との接点。
?個人の価値観の尊重。社会通念が個人の権利を奪ってはいけない。
〈緩和ケアにおける医療・福祉・介護に関わる社会資源の活用〉村上須賀子先生 広島国際大学医療福祉学部
利用者の気持ちがどこにあるのか、自己実在の開発のためにはどうサポートするのかを考える。
〈コミュニケーション論1・2〉川野雅資先生 三重県立看護大学
?コミュニケーションの構成要素を理解し、看護婦としての専門的コミュニケーションを行う。
?効果的コミュニケーション技術を身につける。技術を使って共感することができる。ロールプレイ学習。
〈同(SP)3・4〉藤崎和彦先生 奈良県立医科大学医学部衛生学教室、他2名 COMLささえあい医療人権センター
シミュレーションによるトレーニング。傾聴:踏み込んで聴く。開かれた共感。グリーフケア。
〈チームアプローチ〉沖原由美子先生一脇本晴代先生社会福祉法人聖隷三方原病院
?看護チームとしての目標を全員で共通認識する。他の専門職集団にも話し、患者中心に同じ目標に向かって協力し合い、活動をする。
?死に直面する時、しっかりした自分自身の死生観を持つことが大切。
〈癌患者の家族への援助1 −家族援助概論−〉荒川靖子先生 神戸市看護大学
家族は集団であり影響し合っている。集団として見る目を養う。患者のケアを第一に考えながら家族にどう働きかけるかを考える。家族の悲嘆のケア。
〈同2 −家族援助各論−〉鈴木志津枝先生 高知女子大学
罪責感に対するケア。正常な悲嘆に対する支援。感情の表出を促す。ストレス・コーピング理論を用いた看護介入。家族危機への介入。グリーフカウンセリング。
〈進行癌患者の心理的特徴と援助1〉田村恵子先生淀川キリスト教病院・ホスピス病棟婦長・癌看護専門士
?癌患者はプロセスのなかでターミナル期に至っている。患者がどういう位置にいるのかを理解する。
?癌を危機としてとらえる。危機モデルを使用し、心理状態の分析及びアプローチの考察をする。
〈同2 −精神症状援助−〉河瀬雅紀先生 京都府立医科大学付属病院・精神科医
?進行癌患者における精神症状、主としてせん妄とうつ症状について理解する。
?うつ状態の患者に対する介入のポイントは、自殺予防。事例を通して実際を学ぶ。
<同3 −スピリチュアルペイン−〉沼野尚美先生国家公務員共済組合神戸六甲病院・チャプレン
?存在価値の重要性を理解する。
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