心に残った看取りのこと
宮崎県立宮崎病院
吉本美智代
実習目標
?施設概要を理解し、ケアの実際やチームアプローチにおける看護婦の役割を学ぶ
?具体的な問題解決方法を学び体験する
?入院型と在宅型の双方の支援について活用できる資源について学ぶ
の3つをあげていたが、一事例を通して目標以上の成果を得ることができた。
研修2日目の11/10、54歳の男性が近郊の総合病院より転院してこられた。申し送りによると、前医で不信感を持ち、経口摂取不可のためIVHこそ持続していたが、ケアや処置など一切を拒否していたため汚いということであった。私はこの時点で、?前医での医療不信はなぜだろう、何が原因だろう、?ホスピスに転院後どんな対応によってどんな風に変化していかれるだろうか、と興味を持ち、プライマリーナースとともに受け持ちとさせてもらった。
患者は前医で3/19にGIFの結果食道癌を認め、持病であった糖尿病の血糖コントロール後に4/14食道亜全摘術・胸腹部リンパ郭清術・胃管による胸骨後再建・肺浸潤部分切除を受け、その後化学療法2クール、効かないまま疼痛を来し医療不信に陥った。家族の働きかけにより亀山栄光病院緩和ケア病棟に転院した。家族(妻・妹・母親)の話しから一般病棟での不信の原因と緩和ケア病棟の関わりによる氷解を整理してみた。ただし、家族側からの視点だけなので実際はどうだったのか総合的なことはわからないが参考とした
また、現在入院中の緩和ケア病棟に関しては家族に心理的バイアスがかかることも周知しておく必要がある。
〈前医でのできごと〉

〈緩和ケア病棟転院後のできごと〉

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