患者の主観に心をおいて
徳島県立中央病院
大塚孝子
実習プログラム
・病院(病棟)オリエンテーション
・スピリチュアル(霊的)ケアについて藤原神父さま からのお話
・ボランティア勉強会に参加
・ソーシャルワーカーの柿本さんからボランティアのことについてのお話
・ホスピス外来の見学
・田村ホスピス医長の講義
ホスピス病棟の印象
姫路聖マリア病院の南館の3階病棟の東半分がホスピス病棟で、西半分は一般病棟となっており、院内型のホスピスで、1996年8月1日に緩和ケアの承認がされている。病院の周辺は緑に囲まれた静かな環境で、病院の中へ入るとキリスト教の倫理に基づいて理念がかかげられていて、「愛はすべてに強し」という言葉にキリスト教の愛に守られ、心が安らぐような印象を受けた。
ホスピス病棟にはみんなでくつろげるデイルーム、いつでもお好みの食事が作れるファミリーキッチン、家族の方がくつろいだり泊まっていただける家族部屋、静かに時間を考えるスペースにもなる祈りの部屋、朝から夕方まで太陽があたる一部分屋根つきのサンルーム(庭園)、家族の方のカウンセリングや他の相談もできる面談室、廊下の散歩でひと休みできるソファーなどが設けられている。
病室は南向きで明るく日が差していて、テーブルにはいつも一輪差しの花がそっと置かれていたり、患者さんの好きな絵や家族の写真など自由に飾られていた。また病室の外はネームプレートはつけずに手作りの飾り物をつけて、患者さんが入室していることを示してプライバシーにも気配りされていた。 実際に私達も祈りの部屋に入り、毎朝スタッフの皆さんと一緒に心を通わせて愛ある医療の手をさしのべて援助しましょうという気持ちでお祈りをしてから1日が始まって、祈りの部屋の雰囲気が心を落ち着かせてくれるような感じで、患者さんにとっても静かに自分のことをみつめる場所として必要な空間だと思った。
またサンルームは、ボランティアの人達の協力でコンクリートの上に人工の芝を敷きつめていろいろな花が植えられ、その季節の花が見れるように手入れされている。暖かい時に患者さんとサンルームに出た時に、一番に患者さんが「気持ちいいなあ」と言われた。いつも嘔気がある患者さんだったが、私に花の名前を教えてくれたり、庭園の向こう側に流れる川について話されたりした。久し振りに病室から出て好きな花が見れて、つかの間は嘔気のことを忘れて気分が良くなって気分転換ができるいい場所の提供になっていると感じた。
実習で強く印象に残ったこと
次に今回の実習で強く印象に残ったチームアプローチ、ボランティア、パストラルケアについて述べる。
(1)チームアプローチについて
チームカンファレンス 月曜日〜土曜日8時30分〜9時。医師、夜勤と日勤の看護婦。
合同カンファレンス−月曜日・水曜日13時〜14時、金曜日13時30分〜14時30分。医師、看護婦、ソーシャルワーカー、薬剤師、理学療法士、栄養士、チャプレ。
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