しかし、それだけでは不十分なことを学んだ。他者の気持ち、他者における自分の存在の意味、他者から受ける影響、それら全てを視ることのできる心を持つこと。他者の心を感じることができる感受性を豊かにすること。一つのことにとらわれず柔軟な思考が持てること。それら全てが必要だと学んだ。そして、前向きな考えを持つためにはユーモアの精神=遊び心、息抜きのできる自由な心も必要だと学んだ。これらを身につけるために気負わずにリラックスしながら歩んでいこうと思う。
3)ホスピスケアの概念、ホスピスケアのあり方
・専門的知識を持つ医療従事者と周辺のスタッフたちによって、患者さん及び家族の権利や自由を侵害することなく、十分にTotal Pain(身体的、精神的、社会的、霊的痛み)を癒し、終末期の“生”を全うするために行われるべきケア。
・自分の施設において具体的な緩和ケア病棟の設置については未決定だが、ホスピスケアの概念が今の病棟でも生かせるように努力していきたい。治療を続けるか、ホスピスケアに重きを置くかその境目に固執せず、全ての患者さんに対して個人として尊重する姿勢を持つことを大切にしていきたい。
・研修での学びと実習での体験を通して、緩和ケアナースとしての基本を学ぶことができ、多少の自信を付けることができた。今後は自分の施設において実践しながら学んでいきたい。
感 想
まず、たいへん忙しい中、皆さんがやさしくていねいに接しておられた姿に感心しました。次に皆でケアをしていこうという姿に感心しました。症状コントロールの見事さにも驚きました。そして、患者さんやご家族の姿に生きることの苦しみや悲しみを感じました。たいへん貴重な経験と勉強をさせていただきました。婦長さんをはじめホスピスケアスタッフの皆様、患者さん及びご家族の皆様に心から感謝いたします。
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