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5 社会サービスに関する裁判闘争の例

 

グロースターシャー郡では、かなりの数の障害者が在宅ケアを受けていたのだが、自治体は財政難を理由にケアの提供を停止すると決定した。ケアを受けていたうちの1500人が、ニードを再アセスメントされることなくケアが停止されてしまった。再アセスメントされてニードが減ったということにならなければケアを停止する理由がないので、私たちは法律違反であると主張した。自治体の言い分は、財政が不足していること、再アセスメントのための人材が確保できないということだった。

1995年にグロースターシャー郡が訴えられた。2人の裁判官による判決は、人材不足なのだから再アセスメントなしにサービスを減らすことは法律違反ではない、グロースターシャーの財政が厳しくサービスが提供できないのはやむを得ない、という内容だった。私たちは、この判決に満足しなかったので控訴し、1996年7月には控訴院で3人の裁判官により審議された。争点はグロースターシャーの財政的な窮状が考慮されるかということだった。その結果、2人の裁判官は、財政的な窮状の考慮は許されないと判断した。グロースターシャーは1997年2月に上院に上告し、その結果3対2に分かれて、財政状況を考慮することは可能だということになり、私たちは敗訴した。

そこで、私たちは法律を改正することを上院に提案した。改正の内容は、アセスメントの段階やケアプランを作る過程で自治体の財政状況を考慮してはならないというもの、つまり、障害者団体がそれぞれの段階で発言できるというものである。

 

*注:グロースターシャーの判例については、巻末の資料編を参照

 

 

 

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