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る。しかしながら、就業者の年齢構成を考えると、将来は、女性や高齢者も含めた多様な労働力を活用していかないと立ち行かなくなるという認識に切り替えるべきである。

●作業環境の改善

女性活用のカギは、作業条件の改善にある。女性労働力を作業現場に受け入れていくには、工程の自動化、省力化や作業環境の改善などのハード面の整備が必要である。

他社の良いところを巧みに取り入れていく傾向の強い造船所においては、規模等の条件にもよるが、広く普及する可能性も秘めている。

●イメージの改善

多分に3Kイメージの問題もあり、社会の意識の壁も現段階では相当高い。これらについても、職場改善の状況を広く知らせていくなど、造船業そのもののイメージ改善への地道な努力が求められる。

c)外国人研修生の活用

海外に提携企業を持つ造船所や、労働力供給が少ない地域の造船所において、さまざまなルー卜で外国人研修生の受け入れが行われている。

現在のところ、研修期間が2年に制限されているため、補助作業に止まっているが、他の職種においては3年(研修1年十実習2年)とされている職種もあり、造船・舶用工業に関係の深い、溶接、配管等の職種においても、3年への延長が望まれている。

わが国の造船業の技術は高く、今後船舶の建造・補修・運航にかかる人材がアジア地域で広く求められていることから、国際貢献という意味からも船舶に関する基本的技術を学ぶ場として、技術研修生を受け入れていく必要があろう。

 

(4)業界のイメージアップ

イメージの問題は労働力、ことに新卒者の採用に大きく影響する。

造船所に対するアンケートでは、10年前と比べて「良くなった」としたものは20%程度であり、「ほとんど変わらない」が多数を占めた。

四国地区においては、平成4年度に「作業環境の改善に関する調査研究」が行われ、この中でイメージアップについても、いくつかの提言が行われている。

ユニフォーム、工場のカラーコーディネート等、包括的にはCI(コーポレート・アイデンティティ)の導入であるが、各社で一部実施されている。

これについて、各社での取り組みとともに、業界全体での取り組みも必要となろう。

日本財団等公的機関・団体による事業費支援制度もあり、活用していくべきである。

 

 

 

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