経営者の判断になるが、各地方海運局や関係機関と連携を取って、スムーズな転換を果たしていくことが必要である。
(2)設備のスリム化
【小型】
造船設備が過剰なことは業界の共通認識となっている。一定の設備削減は避けられない。
このため、設備のスリム化を図っていくことが必要である。
生産協力(ブロック専業化等)による実質的な設備能力の削減も考えられる必要がある。
(3)生産・営業面での大手、中手との連携
内航船の建造需要が回復したとしても、船舶の大型化やモーダルシフト対応船など、小型造船所においては取り組みが難しい船種の割合がより高まるものとみられる。さらに、内航海運業界において行われているオペレータの再編等、地元の小規模船主の減少を招くような条件もある。このため、そうした小規模船主を主たる顧客としてきた四国地区の造船業並びに舶用工業においては、顧客の減少あるいは顧客の変化(内航海運業の変貌に伴う)に見舞われることが懸念される。
【小型】
●グループ入り
各社とも営業の拡大等対応を図っているが、船価が厳しく、収益を悪化させている。
ブロック建造の受注等、大手、中手との連携により、グループ・系列に入ることも一つの方向と考えられる。
その際、グループ内でのすみ分け、役割分担としてある特定のサイズ・船種に特化していくことが考えられる。
●ブロック専業化
ブロック専業も一つの方向である。これでいくには、先に見たように、意識の切替えが必要である。また、機械設備等、生産基盤の強化が必要である。
2005年以降、造船需要が次第に減退していくとみられることから、メガフロート等の建造が行われる場合、ブロック建造において大手・中手・中小造船所の連携が欠かせないため、その布石ともなる。
【大手・中手】
小型造船所をブロック工場として関係を持っていく場合、小型造船所側設備の状況に応じて、派遣してもらっての作業、図面の受け渡し等の工夫が必要である。
将来、メガフロート連続建造に取り組もうとする場合には、ブロック協力工場が欠かせない。