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(4)舶用工業

舶用工業においては、その製品・業種・製造販売保守の別等によって、将来像をさまざまに描きうる。

今後の方向性としては、今までは造船所に一方的に要望を聞き入れる関係であったが、低収益を招く等、必ずしもよい結果ではなかった。

また、製品の種類にようては、数社で市場を分け合う等、寡占化の状況が顕著になりつつある。この場合、「供給責任」も生じていくものと思われる。

?@標準化

製品の種類が膨大であるため、結果として特注仕様に近いものなってしまい、生産効率の低下、ひいては収益性の悪化を招いている。

さらに、保守点検の効率化を阻害している。設計の段階から、メンテナンスを考慮した設計、規格採用を働き掛けていくべきであろう。

?A情報化

業界の情報化への取組みには企業により差がある。個別企業としては当然社内業務にコンピュータを活用しているところであるが、大手造船所を中心に図面データのやりとりや受発注にコンピュータ・ネットワークが活用されるようになってくると、そうした企業間の情報交換にも用いることが通常となっていく。

?B共同開発

舶用工業においても、船主、オペレータ、荷主と共同で製品を開発することが望まれる。

 

従って、今回のビジョンにおいては、各社が自主的に取り組んでいくことのほか、舶用工業も含めた「ゆるやかな」グループで取り組んでいくことが期待される事項も掲げている。

 

 

 

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