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b)関連産業の集積

四国地域には、中小造船業とその協力企業の集積がみられることから、関連産業も集積し、「船どころ」として発展してきた。技能工・社外工・関連産業・ブロック加工工場等の集積により、いっそう集積効果を発揮してきた。構外協力工場や構内協力企業が多数存在し、仕事量の繁閑と建造工程進捗状況によって造船所間を行き来することによって、小型造船所においても一定の技術力が伝播される仕組みが出来上がっていた。その点では、不況耐久力の面のみならず、技術レベルの底上げ機能においても評価される必要があろう。

c)船主の集積

瀬戸内海は、わが国の国内航路のメインルートであり、沿岸地域には船主が集積している。内航船から発展し、近海・遠洋へとその事業領域を広げていった船主もあり、造船所はそのニーズに応えてきた。

四国の中小造船所の地元の船主と密接な結び付きは広く知られている。海運市場や船舶技術に関する情報やニーズが船主からもたらされ、新しい技術へのチャレンジが進められるケースもある。いわば、造船所と地元船主とは二人三脚で発展してきた。

また、瀬戸内には多数の旅客船・フェリー航路が張り巡らされ、この関連の事業者も多く、四国の造船所は中国地方の造船所と競争しながら、建造・修繕需要を吸収してきた。

 

 

 

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